はじめに
日本は、多様な外国人材の力を必要としています。その中でも、高度な専門性と卓越した能力を持つ人材の受け入れが重要視されています。本記事では、そうした高度外国人材の在留資格である「高度専門職1号ロ」について、詳しく解説していきます。
高度専門職1号ロとは
高度専門職1号ロは、日本国内の公的機関や民間企業等との契約に基づいて、自然科学や人文科学の分野における高度な知識や技術を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
対象者
高度専門職1号ロの対象者は、理工系や文系を問わず、高等教育機関を卒業し、特定の専門分野において高度な知識や技術を有する外国人です。具体的には、エンジニア、研究者、コンサルタント、デザイナーなどが想定されています。
ポイント制度によって認定されますが、一般的には修士号以上の学位を持ち、一定以上の実務経験と年収があれば対象となる可能性が高くなります。
活動範囲
高度専門職1号ロの活動範囲は比較的広く、以下のようなことが認められています。
- 自然科学や人文科学の分野における専門的業務
- 関連する事業の経営活動
- 研究開発活動
- 教育活動
優遇措置
高度専門職1号ロを取得すると、以下のような優遇措置が受けられます。
- 在留期間が最長5年間付与される
- 永住許可要件が緩和される
- 配偶者の就労が広範囲で認められる
- 一定の条件で親や家事使用人の帯同が可能
このように、高度な外国人材が日本で長期的に活躍できる環境が整備されています。
申請手続き
高度専門職1号ロの申請手続きは少し複雑で、以下のような書類が必要となります。
- 在留資格認定証明書交付申請書
- ポイント計算表
- 学歴証明書
- 職歴・年収証明書
- 雇用契約書
ポイント計算
高度専門職1号ロの認定には、ポイント制度が利用されています。学歴、職歴、年収、加点要素などから総合的にポイントが算出され、70点以上であれば認定されます。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 学歴 | 博士号 | 20点 |
| 修士号 | 15点 | |
| 職歴 | 10年以上 | 15点 |
| 7年以上10年未満 | 10点 | |
| 年収 | 800万円以上 | 15点 |
| 600万円以上800万円未満 | 10点 |
申請サポート
高度専門職1号ロの申請手続きは複雑なため、専門家によるサポートを受けることをおすすめします。行政書士事務所などでは、書類作成からビザ取得までをフルサポートしてくれます。
中には無料相談や全額返金保証制度を設けている事務所もあり、安心して申請できます。
転職時の手続き
高度専門職1号ロを取得した後、転職を希望する場合には在留資格の変更申請が必要になります。手続きが複雑なため、専門家に相談することが賢明でしょう。
変更申請の手順
- 新しい雇用先が決まったら速やかに申請準備を始める
- 新しい雇用契約書や新会社の概要書類を準備する
- 変更申請の書類一式を作成し、入国管理局に提出する
- 審査を経て、在留資格の変更が許可される
注意点
在留資格の変更許可が下りるまでは、現在の雇用先で就労する必要があります。また、審査には一定の期間を要するため、早めの手続きが肝心です。
万が一不許可となった場合でも、引き続き現在の在留資格で就労できますが、転職は認められなくなります。
まとめ
高度専門職1号ロは、高度外国人材の活躍の場を広げる重要な在留資格です。優秀な外国人材が日本で長期的にキャリアを積むことができ、日本の産業競争力の維持・向上につながります。
一方で申請手続きが複雑なため、専門家のサポートを活用することが賢明です。また転職時の手続きにも注意が必要になります。高度外国人材を積極的に受け入れる日本の取り組みについて、理解を深めることが大切でしょう。
