はじめに
ビジネスの国際化に伴い、外国人がビジネス目的で短期間日本に滞在する機会が増えてきました。この場合、「短期商用ビザ」の取得が必要となります。短期商用ビザには様々な種類や手続きがあり、適切に対応しないと入国が拒否されたり、罰則を受ける可能性があります。本記事では、短期商用ビザについて詳しく解説します。
短期商用ビザとは
短期商用ビザは、外国人が日本に短期間滞在してビジネス活動を行う際に必要となるビザです。具体的な活動内容としては以下のようなものが挙げられます。
会議・視察・商談
短期商用ビザの主な利用目的は、会議への出席、工場や店舗の視察、取引先との商談などです。報酬を受け取ることはできませんが、ビジネスの機会を探ることは可能です。
国際会議や学会への参加、提携先への技術指導なども、短期商用ビザで認められる活動です。ただし、報酬を受け取る場合は就労ビザが必要になります。
研修・インターン
企業の研修プログラムに参加したり、インターンシップを行うことも、短期商用ビザで認められています。ただし、報酬を受け取ることはできません。
研修やインターンの内容によっては、専門的な知識や技術の習得が必要となる場合があります。そのような場合は、就労ビザが適切な在留資格となります。
マーケティング・広報
新製品のプロモーションやマーケティング、企業の広報活動なども、短期商用ビザで行えます。ただし、実際の販売活動を伴う場合は、就労ビザが必要となる可能性があります。
展示会への出展や、商品のサンプル持ち込みなども、短期商用ビザで認められる活動の一つです。
短期商用ビザの種類
短期商用ビザには、滞在期間によっていくつかの種類があります。適切な種類を選ぶことが重要です。
15日以内の短期商用ビザ
最短の滞在期間で、15日以内の活動に利用できます。単発の会議出席や商談など、短期間の活動に適しています。
ただし、15日を超える滞在が必要になった場合、ビザの延長は原則できません。期間内に出国する必要があります。
30日以内の短期商用ビザ
30日以内の滞在が認められるビザです。工場の視察や研修プログラムへの参加など、やや長期の活動に適しています。
30日を超える場合も、一定の条件を満たせば延長が可能です。ただし、延長の手続きには時間がかかるため、注意が必要です。
90日以内の短期商用ビザ
最長で90日間の滞在が認められる短期商用ビザです。長期のインターンシップや、複数の活動を行う場合に適しています。
一部の国の人は、180日までの長期滞在が認められることもあります。ただし、その場合は追加の書類が必要になります。
申請手続き
短期商用ビザの申請には、様々な書類が必要となります。適切な書類を準備し、手続きを行うことが重要です。
申請書類
主な申請書類は以下の通りです。
- パスポート
- ビザ申請書
- 写真
- 招へい理由書
- 身元保証書
- 滞在予定表
- 渡航費用の支弁能力証明書
- 在職証明書
国籍や来日目的によって、必要な書類は異なります。事前に確認することが重要です。
申請方法
短期商用ビザの申請は、外国人本人が居住国の日本大使館や総領事館で行います。日本側の招へい企業が書類を作成し、申請人に送付します。
申請方法は国によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。一部の国では旅行代理店を通じた申請が求められることもあります。
審査・発給
ビザ申請後、通常1週間程度で審査結果が通知されます。コロナ禍では電子データでの申請が可能な場合もあります。
審査では、外国人の犯罪歴や、日本側の招へい企業の信用性などがチェックされます。不許可の場合、理由は公表されません。
更新・延長
短期商用ビザの期間を延長したい場合や、更新したい場合の手続きについて解説します。
ビザの更新
短期商用ビザの更新は、一部の国籍を除いて難易度が高くなります。更新には、本人のパスポートやビザ申請書類のほか、更新理由書や帰国便の航空券が必要です。
国籍によっては、更新が認められない場合もあります。日本と本国との関係や、在日外国人の犯罪動向などによっても影響を受けます。
ビザの延長
短期商用ビザの期間延長は、原則として認められていません。ただし、一時的な業務延長や、病気などの特別な事情がある場合は延長が可能な場合があります。
延長には、期間満了前に入国管理局に申請する必要があります。求められる書類は、ビザの更新時と同様です。
注意事項
ビザの更新や延長が認められても、短期商用ビザでは就労活動はできません。また、資格外活動となる可能性のある行為は控えましょう。
更新や延長の手続きを行わずに不法残留すると、重い罰則を受ける可能性があります。
まとめ
短期商用ビザは、外国人がビジネス目的で日本に短期間滞在する際に必要となるビザです。適切な種類のビザを選び、必要な書類を整えて申請することが重要です。
ビザの期間を延長したい場合や更新したい場合は、手続きが必要になります。ただし、就労活動は認められていないため、注意が必要です。
短期商用ビザの申請や手続きは複雑な場合があるため、専門家に相談することをおすすめします。適切なサポートを受けることで、スムーズな手続きが可能になります。
