アメリカ人が日本移住に夢見る理由と現実 〜 治安・文化・生活コストに惹かれる人が後を絶たず

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目次

はじめに

近年、アメリカ人を中心に、日本への移住希望が高まっています。治安の良さや生活コストの安さ、独自の文化への憧れなどが理由として挙げられています。一方で、アメリカなどの先進国では、高物価や住宅問題、医療費の高騰など、経済的・社会的な課題が山積しており、若者を中心に国外への移住を検討する人が増えているのが実情です。本記事では、アメリカ人が日本への移住を検討する際の動機や手続き、実際の経験談などを紹介します。

アメリカ人が日本移住を望む理由

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アメリカ人が日本への移住を希望する主な理由は以下の通りです。

日本の治安の良さ

日本は世界で最も治安の良い国の一つとされています。アメリカでは銃乱射事件が後を絶たず、大都市を中心に犯罪率が高いため、治安面での不安が常にあります。一方、日本では凶悪犯罪は極めて少なく、夜間でも比較的安全に外出できる環境が整っています。アメリカ人にとって、日本の治安の良さは大きな魅力となっています。

アメリカでは最近、銃乱射事件が相次いでおり、国民の間に大きな不安が広がっています。2022年5月にはテキサス州の小学校で銃乱射事件が発生し、19名の児童と2名の教師が犠牲になりました。また、同年7月にはイリノイ州の町で祭りの観客を狙った銃撃があり、複数の死傷者が出ました。こうした悲惨な事件が頻発する中、アメリカの治安に対する国民の不安は増すばかりです。日本への移住を望む人が増えているのも無理はありません。

公共交通機関の発達

日本の公共交通機関は世界的にも評価が高く、鉄道網がきめ細かく張り巡らされ、バス路線も充実しています。大都市圏だけでなく、地方都市でも公共交通機関が発達しているのが特徴です。一方、アメリカでは公共交通機関の整備が不十分で、自家用車に頼らざるを得ない地域が多数存在します。日本の公共交通機関の利便性は、アメリカ人にとって大きな魅力となっています。

アメリカの公共交通機関の状況は、都市部と地方部で大きく異なります。ニューヨークやワシントンD.C.、シカゴなどの大都市では、地下鉄やバスなどの公共交通機関が比較的整備されています。しかし、郊外や地方の小さな町では、公共交通機関がほとんど存在せず、自家用車がなければ移動が困難です。このような状況から、アメリカ人にとって、日本の公共交通機関の発達は大きな魅力となっているのです。

日本文化への憧れ

日本のアニメやマンガ、ゲーム、武術など、サブカルチャーがアメリカでも人気を集めています。そのため、そうした文化に触れるために日本に移住を希望する人も多くいます。また、日本の伝統文化や食文化にも魅力を感じ、その体験を求める人もいます。日本独特の文化への憧れが、アメリカ人の日本移住の大きな原動力となっています。

近年、日本のアニメや漫画が世界的に人気を博しています。有名なアニメ作品には「鬼滅の刃」「ワンピース」「ナルト」などがあり、漫画では「ONE PIECE」「僕のヒーローアカデミア」「チェンソーマン」などの作品が話題となっています。特に若者を中心に、日本のポップカルチャーへの関心が高まっています。そのため、生まれ育った国を離れ、日本に移住して日本文化に触れたいと願うアメリカ人が増えているのです。

日本への移住手続き

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アメリカ人が日本に移住するには、様々な手続きを経る必要があります。まずは、日本の在留資格の取得が不可欠です。

就労ビザ

日本での就労を希望する場合は、就労ビザの取得が必須です。申請には、雇用証明書や給与支払い証明書、卒業証明書や職務経歴書などの書類が必要となります。就労ビザを取得するには、一定の要件を満たす必要があり、入国後も更新手続きが定期的に必要となります。

就労ビザは、職種によっていくつかの種類があります。技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、家事支援などの在留資格があり、それぞれ異なる要件と期間が設けられています。例えば技術・人文知識・国際業務の在留資格は最長5年間有効ですが、介護や家事支援は最長3年となっています。求められる要件にもばらつきがあるため、自身の状況に合わせて適切な在留資格を選択する必要があります。

家族滞在ビザ

日本人の配偶者や親族の元に移住する場合は、家族滞在ビザを取得することになります。申請には、婚姻関係や親族関係を証明する書類が必要です。家族滞在ビザの有効期間は原則1年ですが、更新が可能です。

家族滞在ビザには、配偶者や子女、永住者の配偶者といったさまざまなタイプがあります。それぞれの在留資格によって、認められる活動範囲や更新の条件が異なります。例えば、配偶者ビザの場合は就労が認められていませんが、永住者の配偶者ビザであれば就労が可能です。また、日本人の子供の場合は就学が可能ですが、永住者の子供は就学資格がありません。このように、目的に合わせてビザの種類を検討する必要があります。

永住権の取得

一定期間日本に滞在すれば、永住権の取得が可能です。永住権を得ると、ビザの更新が不要になり、より自由に日本で生活できるようになります。ただし、永住権の取得には高い所得水準などの要件が課されています。

永住権の取得要件は、在留資格によって若干異なります。就労ビザの場合は、10年以上日本に滞在し、最後の5年間は就労資格を有していることが必要です。また、一定の年収基準と納税実績も求められます。一方、日本人の配偶者であれば、結婚から3年以上経過し、通算1年以上日本に滞在していれば申請可能です。このように、永住権取得のハードルは高いですが、長期的に日本での生活を考えている場合には、取得を目指す価値があります。

日本移住の実際

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ここからは、実際にアメリカ人が日本に移住した際の経験談を紹介します。

ブライアンさんの福岡移住

ブライアンさんは35歳のニューヨーク出身のアメリカ人で、14年間日本に滞在しています。英語教師やマーケティング担当を経験した後、現在は福岡でスタートアップに挑戦中です。人気の英語参考書の著者でもあります。

東京での生活に不満はなかったものの、同じ生活を続けることに違和感を覚えたブライアンさんは、福岡への移住を決めました。福岡では、海沿いのシェアオフィスで仕事をしており、最高の職場環境を手に入れたといいます。仕事とプライベートの境界線がなくなり、生活の質が大きく向上したそうです。現在は、アプリ開発やマンガ出版など、様々なクリエイティブな事業に取り組んでいます。

永住権取得への道のり

ある米国人女性は、日本での結婚生活を経て永住権を取得しました。日本人の夫と結婚して3年が経過し、1年以上日本に滞在したことから、永住権の申請要件を満たしていました。永住権申請には、理由書の作成など手続きが複雑でしたが、専門家のサポートを得ながら、無事に永住権を取得することができました。

永住権を持つことで、ビザの更新が不要になり、仕事の選択肢が広がりました。また、銀行口座の開設や不動産の購入など、日本での生活基盤を整えやすくなったと振り返っています。一方で、永住権の取得プロセスは容易ではなく、細かい要件を満たすことが難しかったそうです。実際に申請を検討する際は、専門家に相談することが重要だと強調しています。

日本社会の課題

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日本で生活する外国人の体験談を通して、日本社会における外国人受け入れ態勢の課題が浮き彫りになっています。

永住権取得の難しさ

パキスタン人のアシフさんは、12年間日本に滞在しながらも、永住権を取得できずにいます。会社員として働き、納税実績も十分にあるにもかかわらず、書類の不備などから永住権の申請が度々却下されてきたそうです。母国語と日本語の言語の壁も大きな障壁となっているようです。

アシフさんは、永住権の取得に向けて努力を重ねてきましたが、未だに難しい状況が続いています。日本語と母国語の言語の違いから、申請書類の作成に支障が出たり、入国管理局との対話がスムーズにいかなかったりするケースが多々あったといいます。税金を払い、法を守り、日本社会に貢献してきた努力もむなしく、永住権取得の夢は遠のいているようです。言語の問題に加え、制度上の課題も指摘されています。

外国人への理解不足

日本社会では、外国人への理解が十分でないケースも多くみられます。外国人労働者の受け入れが進む中で、言語や生活習慣の違いからトラブルが生じるケースも発生しているようです。

ベルギー人のケイコさんは、日本での就職活動の際、自らの異文化を隠そうと努力しました。面接では、外国人らしさを出さず、できるだけ日本人に近づこうと心がけたそうです。しかし、ベルギーでは、多様性が当たり前のように受け入れられていたため、日本での経験に戸惑いを感じたといいます。外国人が目立たないよう無理をしなければならない状況は、日本社会における課題であると指摘しています。

まとめ

本記事では、アメリカ人が日本への移住を検討する背景と、実際の移住手続き、体験談を紹介してきました。治安の良さや公共交通機関の発達、文化への憧れなどがアメリカ人の日本移住を後押ししている一方で、永住権の取得難易度の高さや、外国人への受け入れ態勢の課題も浮き彫りになりました。

日本は今後、さらに外国人材の受け入れを進める方針です。移住を希望する外国人が、言語や制度の壁に阻まれることなく、夢を実現できるよう環境を整備することが求められます。多様性を受け入れる寛容な社会を目指し、移住者と日本人が共生できる仕組みを作り上げていく必要があるでしょう。

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