外国人材確保の鍵は「就業ビザ」の活用にあり!取得方法と注意点を徹底解説

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目次

はじめに

グローバル化が進む中、日本企業が外国人材を確保することは重要な課題となっています。外国人を雇用するためには、就労ビザの取得が前提条件となります。就労ビザには様々な種類があり、外国人の職種や経歴、入国目的によって適切な在留資格を選ばなければなりません。本記事では、就労ビザについて詳しく解説します。

就労ビザの種類

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日本で働く外国人に付与される就労ビザには、大きく分けて以下の種類があります。

技術・人文知識・国際業務

IT技術者、経理、デザイナー、通訳・翻訳など、専門的な知識や技能を有する外国人が対象となるビザです。学歴や実務経験、報酬水準などの条件を満たす必要があります。

技術分野では、IT技術者やエンジニアなどが該当し、4年制大学を卒業するか、実務経験が10年以上必要です。人文知識分野では、企画、マーケティング、法務、経理などの職種が含まれ、4年制大学を卒業した者が対象となります。国際業務分野では、通訳・翻訳などが該当し、4年制大学卒業者が要件を満たします。

高度専門職

高度な専門的知識や技能を持つ外国人材を対象としたビザです。「高度研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営管理活動」の3つに分類されます。

2023年4月から導入された「特別高度人材制度(J-Skip)」では、修士号以上の学歴と年収2000万円以上、または実務経験5年以上と年収2000万円以上、あるいは実務経験5年以上と年収4000万円以上の場合にJ-Skipの対象となります。この制度では優遇措置が設けられており、例えば在留期間の長期化や配偶者への就労許可などが認められています。

特定技能

特定の産業分野で人手不足が深刻化している状況を受け、2019年に新設されたビザです。建設、介護、製造業などの分野で活躍が期待されています。

特定技能には1号と2号の2つの区分があり、技能水準によって認められる在留期間が異なります。1号は最長5年、2号は最長3年となっています。ただし、一定の要件を満たせば在留期間の更新が可能です。

ビザ種類 対象者 主な要件
技術・人文知識・国際業務 専門的知識や技能を有する外国人 学歴、実務経験、報酬水準など
高度専門職 高度な専門知識や技能を持つ外国人 J-Skipの要件を満たすこと
特定技能 人手不足分野の外国人材 技能試験の合格など

就労ビザ取得の手続き

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就労ビザの取得には、一定の手続きと審査期間が必要となります。ここでは、代表的なケースとして「技術・人文知識・国際業務」ビザの取得手順を説明します。

在留資格認定証明書の取得

まず、企業側が外国人の在留資格認定証明書の交付申請を行います。ここでは、採用理由書や企業の決算報告書など、様々な書類の提出が求められます。審査期間は平均38.9日とされています。

この認定証明書は3か月の有効期限がありますので、外国人の入国スケジュールを考慮して、時期を逸することがないよう注意が必要です。

ビザ申請

在留資格認定証明書を取得後、外国人本人が在外公館(大使館や総領事館)でビザ申請を行います。必要書類を揃え、通常5業務日以内にビザが発給されます。

ビザが発給されれば、外国人は3か月以内に日本へ入国する必要があります。入国時に就労ビザの審査と登録が行われ、これで就労が可能となります。

在留資格の更新

在留期間が満了する場合は、更新手続きが必要となります。更新申請時に、引き続き就労ビザの要件を満たしていることを確認する審査が行われます。

技術・人文知識・国際業務の在留期間は1年、3年、5年のいずれかとなっています。更新の可否は本人の勤務状況や報酬、企業の経営状態などから総合的に判断されます。

外国人雇用における留意点

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外国人を雇用する際には、就労ビザに関する知識と注意点を理解しておく必要があります。

在留資格の理解

各就労ビザの在留資格には業務内容の制限があり、例えば技術・人文知識・国際業務ビザでは単純労働は認められていません。受入れ企業は、外国人社員に適した業務を与える必要があります。

また、在留資格の要件を満たさなくなった場合、取り消される可能性があることも認識しておくべきです。

給与水準の確保

日本で就労する外国人の給与は、同等の日本人従業員と比べて低くてはなりません。特に特定技能ビザの場合、一定の給与水準を下回ると在留資格が取り消される可能性があります。

適切な給与設定は、単に法令遵守の観点だけでなく、優秀な外国人材の確保と定着化においても重要なポイントです。

支援体制の整備

言葉や生活習慣の違いから、外国人社員は日本で働く上で様々な不安を抱える可能性があります。企業としては、通訳の配置や生活支援サービスの提供など、きめ細かい支援体制を整備することが求められます。

中長期的視点に立てば、外国人材の受入れは企業の国際競争力の鍵を握ります。就労ビザをはじめ、外国人雇用に関する理解を深めることが重要といえるでしょう。

まとめ

本記事では、日本で外国人を雇用する際に必要となる就労ビザについて解説してきました。技術・人文知識・国際業務、高度専門職、特定技能などの就労ビザには、それぞれ目的と要件が定められています。適切な在留資格の選択と手続きを行うことは、外国人雇用の前提条件となります。

一方で、外国人社員の処遇や支援体制の整備も重要な課題です。就労ビザに関する理解を深め、きめ細かい対応を行うことで、企業は優秀な外国人材を確保し、グローバル人材の多様性を活かすことができるでしょう。

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