収益アップ!特区民泊の始め方と手続きを完全解説

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目次

はじめに

民泊事業が注目を集めるなか、特区民泊という新しい形態の宿泊サービスが登場しました。特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した民泊事業です。この制度を利用すれば、一定の要件を満たせば、旅館業法の規制を受けずに合法的に民泊を運営できるというメリットがあります。本記事では、特区民泊の概要から始まり、その仕組み、メリット・デメリット、実施エリア、申請手続きなど、さまざまな側面から詳しく解説していきます。

特区民泊とは

architecture

特区民泊は、国家戦略特別区域内の一部の地域でのみ認められている民泊事業です。従来の民泊新法とは異なり、特区民泊は年間営業日数の制限がなく、宿泊期間についても自治体の条例で定められた範囲内であれば柔軟に対応できます。

特区民泊の仕組み

特区民泊は、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例措置を活用した制度です。対象施設が所定の要件を満たせば、都道府県知事や市町村長から認定を受けることで、観光やビジネスの宿泊ニーズに対応した新たな宿泊施設を提供できます。

具体的な要件としては、一居室の床面積が25平方メートル以上であること、適切な設備を備えていることなどが定められています。また、滞在者名簿の備え付けや近隣住民への説明、苦情への対応などが義務付けられています。

特区民泊の対象期間

特区民泊の使用期間は、2泊3日から9泊10日の範囲内で自治体の条例で定められています。2022年10月の法改正により、最低宿泊期間が従来の6泊7日から2泊3日に短縮されました。これにより、より柔軟な運用が可能になりました。

一方で、年間を通して営業できるため、収益性の確保が比較的容易になるというメリットもあります。従来の民泊新法では年間180日までの営業日数制限がありましたが、特区民泊ではその制限がないのが大きな違いです。

特区民泊の対象施設

特区民泊の対象となる施設は、マンション、アパート、戸建て住宅などさまざまです。住宅以外の施設でも、所定の要件を満たせば特区民泊として認定される可能性があります。

ただし、分譲マンションの場合は管理規約への適合が必須です。管理規約に「民泊不可」と明記されていれば、特区民泊を実施することはできません。また、賃貸物件の場合は賃貸借契約書と所有者の承諾が必要となります。

特区民泊のメリット・デメリット

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特区民泊には、従来の民泊新法や旅館業法と比べていくつかの大きなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 年間営業日数の制限がない
  • 宿泊期間の制限が緩やか
  • 認定手続きが簡易である
  • 消防設備の基準が緩和されている場合がある

特に、年間を通して営業できるという点は大きなメリットです。収益性の面で優位に立てるでしょう。また、一般的な民泊と比べると認定手続きが簡略化されているのも魅力的な点です。

消防設備の基準についても、自治体によっては旅館業法ほど厳しくない場合があります。初期投資を抑えられる可能性があります。

デメリット

  • 最低2泊3日以上の宿泊が必須
  • 運営できる地域が限定されている
  • 認定までに一定の手続きと時間がかかる
  • 価格競争に巻き込まれやすい

一方で、デメリットとしては最低宿泊期間の制限があげられます。1泊2日の短期宿泊客には対応できないため、需要を逃す可能性があります。

また、特区民泊の実施可能な地域は限られているため立地条件に制約があります。さらに、認定を受けるまでに近隣への説明会の開催や自治体への申請など、一定の手続きが必要となります。

特区民泊の実施エリア

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特区民泊の実施可能なエリアは、国が指定した特別区域内に限られています。現在、以下の自治体で特区民泊が導入されています。

  • 東京都大田区
  • 大阪府・大阪市
  • 福岡県北九州市
  • 新潟県新潟市
  • 千葉県千葉市

特区民泊を実施できる具体的なエリアは、各自治体の条例で定められています。大阪市の場合は、原則として建築基準法上のホテル・旅館の建築が可能な地域で実施できます。

自治体による規制

特区民泊の具体的な運営基準は、国の法令に加えて各自治体の条例で定められています。自治体によって細かな規制が異なるため、事前にしっかりと確認する必要があります。

例えば、大阪市では居室に台所や洗面設備を設置することが義務付けられています。このように、最低限の施設基準が自治体ごとに定められています。

今後の動向

2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が全面施行されたことで、特区民泊以外でも民泊が一定の要件の下で可能になりました。しかし特区民泊には、年間営業日数の制限がないなどのメリットがあるため、引き続き注目されています。

一方で、民泊新法の規制緩和が進めば、特区民泊のメリットが薄れる可能性もあります。今後の民泊をめぐる法改正の動向に注視が必要でしょう。

特区民泊の申請手続き

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特区民泊の認定を受けるためには、所轄の自治体に対して申請を行う必要があります。申請には、必要書類の作成や手数料の支払いなど、一定の手続きが伴います。

必要書類

申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  • 特定認定申請書
  • 施設の構造設備や提供サービスの概要書
  • 消防法令適合通知書
  • 水質検査成績書(水道水以外の場合)
  • 賃貸物件の場合:賃貸借契約書、所有者の承諾書
  • 分譲物件の場合:管理規約への適合を証明する書類

自治体によって若干の違いがあるため、事前に必要書類を確認する必要があります。

その他の手続き

書類の準備以外にも、以下の手続きが求められます。

  • 保健所や消防署への事前相談
  • 近隣住民への説明会の開催
  • 認定後の施設の立入検査

特に近隣住民への十分な説明は欠かせません。営業に伴う騒音や迷惑行為への理解を求め、苦情処理体制を整備する必要があります。

認定後の義務

特区民泊施設として認定を受けた後も、以下の義務があります。

  • 変更認定申請・変更届出(施設を変更する場合)
  • 廃止届出(営業を廃止する場合)
  • 滞在者名簿の作成・保管
  • 施設の出入口に苦情窓口の連絡先を掲示

法令順守とともに、適切な運営管理体制を整備することが重要になります。

まとめ

特区民泊は、特別な制度のもとで合法的に民泊を運営できるユニークな選択肢です。年間営業日数の制限がなく、宿泊期間の条件も比較的緩やかなため、収益性の高い事業モデルが期待できます。

一方で、実施エリアが限られていたり、認定に一定の手続きを要したりするなど、課題もあります。メリット・デメリットをよく検討した上で、自身のニーズに合った選択を行うことが肝心でしょう。

民泊をめぐる法制度は今後も変化が予想されます。最新の情報を注視しながら、適切な運営を心がける必要があります。そのためにも、特区民泊の仕組みや手続きについて、本記事を参考に理解を深めていただければと思います。

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