はじめに
東京都内では、民泊に関する規制が非常に厳しい地域があります。特に荒川区は、他の区と比べても際立って制限が多く、民泊事業を営むにはさまざまな条件をクリアする必要があります。しかし一方で、規制が厳しいがゆえに競合他社が少なく、うまく事業を立ち上げられれば大きな収益が望めるチャンスでもあります。本記事では、荒川区の民泊事情について詳しく解説します。
荒川区の民泊規制
荒川区は、平日の民泊営業が原則禁止されています。土日祝日のみの営業が可能であり、実質的に事業の自由度が制限されています。
営業可能時間の制限
具体的には、月曜日の正午から土曜日の正午までの間、民泊の営業ができません。つまり、土曜日の正午から月曜日の正午までの48時間しか営業できないのです。この厳しい時間制限は、荒川区の民泊事業者にとって大きな障壁となっています。
他の多くの区では、このような曜日規制がないか、もしくは一部の日時のみ営業禁止となっているため、荒川区は格段に制約が厳しいと言えます。事業の継続性や収益性を考えると、この規制は大きな影響を及ぼします。
届出と手続きの複雑さ
荒川区では、民泊を開始する前に事前相談や近隣住民への周知、民泊制度運営システムを利用した届出、標識の掲示、定期報告などの手続きが義務付けられています。これらはかなり手間がかかる作業であり、うっかり一つでも手順を踏み外せば、民泊の許可が下りない可能性があります。
加えて、旅館業を営む場合は更に厳しい基準を満たす必要があります。スタッフの常駐や対面での鍵渡しなど、さまざまな規制に従わなければなりません。手続きの複雑さと並行して、設備の要件も高く、参入障壁は非常に高いと言えるでしょう。
規制強化の動き
2018年6月の条例改正により、荒川区は東京23区内で最も民泊の許可ハードルが高い地域の1つとなりました。更に2019年4月からは、マンション等での旅館業申請において、新しい構造設備基準が設けられ、既存のマンションで許可を取得することがより一層難しくなっています。
こうした規制強化の動きを見ると、今後さらに民泊や宿泊事業を営むことが難しくなる可能性があります。事業者は最新の情報を入手し、規制変更にあわせて対応を検討する必要があるでしょう。
民泊ビジネスのチャンス
一方で、荒川区における民泊事業は、厳しい規制がある分、競合が少なく収益を上げやすいチャンスでもあります。
人気エリアの存在
荒川区内には、浅草や押上などの観光地へのアクセスが良いエリアがあり、外国人観光客の需要が見込まれます。また、六本木や新宿、品川などのビジネス出張客向けにサービスアパートメントの需要もあります。立地を選べば、宿泊需要は十分にありそうです。
特に日暮里周辺は、成田空港へのアクセスに恵まれた立地であり、空港利用客を狙ったビジネスモデルが有望視されています。実際に、この地域ではすでに高い客室稼働率が報告されているそうです。
差別化の重要性
規制が厳しい分、同じ条件をクリアした宿泊施設同士の競争に勝ち残る必要があります。適切な差別化戦略を立て、付加価値の高いサービスを提供することが求められます。
例えば、古民家を改装した落ち着いた和風の宿泊施設や、カップルやファミリー層をターゲットにしたコンセプト作り、アメニティの充実化など、様々な工夫が考えられます。立地の良し悪しだけでなく、斬新なコンセプトで他社と一線を画すことが重要となります。
2世帯住宅の活用
荒川区では、特に2世帯住宅を活用することで、規制をクリアしやすくなる可能性があります。家主居住型の民泊は認められているため、住宅の一部を宿泊施設として活用できます。
立地や家族構成、建物のタイプによっても適した対応は異なりますが、2世帯住宅を上手く活用すれば、比較的参入障壁を低く抑えられるかもしれません。
民泊参入に向けた手順
荒川区で民泊事業に参入する際は、以下の手順を踏むことが重要です。
事前調査
まずは十分な事前調査が不可欠です。最新の規制内容を確認し、立地の選定や想定する顧客層、コンセプトを検討します。近隣との調整や物件の構造的な問題がないかどうかも確認が必要です。
可能であれば、カピバラ好き行政書士など、専門家に相談するのも賢明でしょう。法的な観点から見落としがないか、アドバイスをもらうことで、スムーズな参入の足がかりとなります。
申請手続き
事前調査が済めば、本格的に行政への申請手続きを進めていきます。届出書の作成や標識設置、近隣への説明会開催など、規定された手順をしっかりとこなす必要があります。
特に、古い建物で建築関係資料が残っていない場合は、都市計画課での審査がさらに厳しくなるでしょう。抜かりなく準備を進め、申請手続きをスムーズに行うことが重要になります。
運営体制の構築
許可が下りれば、いよいよ本格的な運営に入ります。旅館業の場合はスタッフの常駐が必須ですし、民泊の場合でも管理体制を適切に整える必要があります。
オンラインでの予約管理システムの構築や、宿泊者への分かりやすい案内表示、清掃・メンテナンスのルール作りなど、きめ細かい準備が求められます。困った時のお助けサポートも検討しておくと安心でしょう。
まとめ
荒川区における民泊・宿泊事業は、規制が非常に厳しい反面、うまく事業を立ち上げられれば大きな収益が見込める魅力的な分野だと言えます。しかし、規制をクリアするハードルが高く、さまざまな手続きと設備基準をクリアする必要があります。
適切な立地選定とコンセプト作り、法的な手続きの確実な履行、そして良質なサービス提供体制の構築が欠かせません。規制は厳しいですが、それをクリアできた事業者は競合が少なく、潜在的な需要を掴める好機が待っているのかもしれません。
民泊や宿泊事業は、地域の魅力や活力を高める重要な役割を担っています。荒川区での事業化に興味があれば、しっかりと準備を重ね、地域に貢献できる魅力的な宿泊施設の実現を目指しましょう。