2025年版:住宅宿泊管理業者 登録要件を徹底解説!

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目次

はじめに

住宅宿泊管理業者として登録するには、国土交通省が定めた様々な要件を満たす必要があります。この要件は、民泊サービスの適正な運営を確保するとともに、利用者の安全と利便性を守るために設けられています。本記事では、個人と法人がそれぞれ登録するための条件や手続きについて詳しく解説します。

登録要件の概要

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住宅宿泊管理業者の登録要件は、大きく分けて以下の3つの側面から構成されています。

1. 欠格事由に該当しないこと

登録申請者が、心身の故障や破産歴、過去の法令違反などの欠格事由に該当していないことが求められます。これは、民泊サービスの適正な運営を担保するための重要な要件です。

例えば、個人の場合は破産手続開始の決定を受けて復権を得ていないことを証明する市町村長の証明書が必要となります。また、法人の場合は役員に欠格事由に該当する者がいないことを示す必要があります。

2. 財産的基礎が確保されていること

申請者が債務超過や支払不能に陥っていないことが求められます。つまり、負債の合計額が資産の合計額を超えておらず、十分な財産的基礎を有していることが条件となります。

具体的には、法人の場合は最近の決算書の提出が義務付けられています。新規設立の場合は開業貸借対照表の添付が必要です。財務状況の健全性が重視されるのは、民泊運営に伴う費用の支払いが適切に行えることを担保するためです。

3. 管理業務を的確に遂行する体制が整備されていること

登録を受けるには、住宅宿泊管理業務を適切に遂行するための人員体制や遠隔でのコミュニケーション体制などが整備されている必要があります。

例えば、常時苦情への対応が可能な人員を確保し、宿泊者や近隣住民からの連絡に迅速に対処できるよう体制を整える必要があります。

個人が登録するための要件

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個人が住宅宿泊管理業者として登録を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 実務経験または資格を有すること

住宅の取引や管理に関する実務経験が2年以上あるか、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士のいずれかの資格を有していることが求められます。

これらの経験や資格は、住宅宿泊管理業務を適切に遂行するための専門知識を備えていることを証明するものです。実務経験の場合は、職務経歴書や雇用証明書などで実績を示す必要があります。

2. 講習を修了していること

「住宅宿泊管理業登録実務講習」を受講し、修了試験に合格していることが必須条件となります。この講習では、民泊に関連する法令や宿泊者名簿の管理方法、苦情対応などについて学びます。

講習は動画視聴と自主学習、オンライン講義、修了試験で構成されており、正答率80%以上で合格となります。合格者には「住宅宿泊管理業登録実務講習修了証」が交付されます。

3. 必要書類を揃えること

登録申請には、以下のような書類の提出が求められます。

  • 登録申請書
  • 略歴書
  • 誓約書
  • 財産に関する調書
  • 所得税の納税証明書
  • 講習修了証の写し
  • 身分証明書

これらの書類は、欠格事由に該当しないこと、財産的基礎があること、業務遂行能力があることを証明するものです。自治体によっては追加の書類が必要な場合もあるため、事前に確認が重要です。

法人が登録するための要件

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法人が住宅宿泊管理業者として登録を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

1. 資格を有する従業員を置くか、関連業者の登録を受けていること

以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士の資格を持つ従業員を雇用していること
  • 宅地建物取引業者、マンション管理業者、賃貸住宅管理業者の登録を受けていること

これらの条件は、法人に適切な住宅管理の専門知識があることを担保するためのものです。関連業者の登録を受けている場合は、その登録通知書の写しを提出する必要があります。

2. 役員に欠格事由がないこと

役員に心身の故障や破産歴、法令違反歴がある場合は登録できません。役員全員について、欠格事由に該当しないことを示す必要があります。

具体的な提出書類として、役員の登記されていないことの証明書、身分証明書、略歴書が求められます。

3. 財務状況が健全であること

法人の場合も、債務超過や支払不能に陥っていないことが必須条件です。最近の決算書一式や法人税の納税証明書の提出が義務付けられています。

新規設立の法人で最初の決算期を迎えていない場合は、開業貸借対照表の添付で足りますが、財務状況の健全性が重視されます。

4. その他の必要書類

法人の場合、以下の書類の提出も求められます。

  • 定款の写し
  • 登記事項証明書
  • 誓約書(法人用)
  • 出資金に関する書類
  • 役員の略歴書

さらに、100分の5以上の出資者については、株数や出資金額の記載も必要となります。必要書類は個人よりも多岐にわたるため、漏れがないよう注意が必要です。

登録手続きと更新

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1. 申請方法と手数料

住宅宿泊管理業者の登録申請は、原則として民泊制度ポータルサイトからオンラインで行います。必要書類は主たる営業所を管轄する地方整備局に提出する必要があります。

登録には以下の手数料がかかります。

  • 新規登録: 90,000円
  • 更新(5年ごと): 19,700円

登録申請から許可が下りるまでに約1ヶ月かかる場合があり、その間に本人確認や体制の詳細について質問を受けることがあります。

2. 更新手続き

住宅宿泊管理業者の登録は5年ごとに更新する必要があります。更新手続きをしない場合は登録が抹消されてしまうため、期限に注意が必要です。

更新時には、再度必要書類の提出が求められます。法人の場合は最新の決算書などを提出し、体制面での変更があれば届け出る必要があります。

3. 今後の規制緩和の予定

現在、地域の民泊需要に対応するため、登録要件の規制緩和が検討されています。具体的には、講習受講のみで個人が登録できるようになる可能性があります。

一方で、業者の質を確保するための措置も重要となってくるでしょう。規制緩和により参入が容易になれば、サービス品質の維持が課題となる可能性があります。

まとめ

住宅宿泊管理業者の登録要件は多岐にわたりますが、民泊サービスの適正な運営を確保するための重要な基準となっています。個人と法人でそれぞれ異なる条件が課されていますが、いずれも財産的基礎、専門知識、体制面での要件を満たす必要があります。

特に法人の場合は提出書類が多く、手続きに時間がかかる傾向にあります。一方で、今後の規制緩和により個人の参入が容易になる可能性がありますが、その際にはサービス品質の維持が課題となるでしょう。

民泊を適切に運営していくためには、住宅宿泊管理業者の質の確保が不可欠です。登録要件を理解し、適切に手続きを行うことが重要となります。

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