特定小規模施設用自動火災報知設備の重要性と設置ガイド

firefighting
目次

はじめに

火災は、いつ起こるかわかりません。大規模な施設だけでなく、小規模な施設でも適切な火災対策を講じることが重要です。消防法の改正により、特定小規模施設にも自動火災報知設備の設置が義務付けられました。これは、小規模施設における安全性の向上と、火災発生時の早期発見、対応を目的としています。本記事では、特定小規模施設用自動火災報知設備の概要、特徴、設置が必要な施設について詳しく解説します。

特定小規模施設用自動火災報知設備とは

fire alarm

特定小規模施設用自動火災報知設備とは、延べ面積が300平方メートル未満の小規模な施設に設置可能な火災報知設備のことです。従来の自動火災報知設備は、大規模な施設向けに設計されており、小規模施設への設置は経済的な負担が大きすぎました。しかし、この新しい設備は、小規模施設に適した機能と性能を備えており、より手頃な価格で導入できます。

設置が義務付けられた施設

以下のような施設に、特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が義務付けられています。

  • 社会福祉施設
  • 簡易宿泊所
  • 民泊施設
  • 共同住宅の一部屋や、マンションの4階以上の民泊施設
  • 建物全体の面積が300平方メートル以上500平方メートル未満で、民泊部分の面積が建物全体の10%を超える施設

主な特徴

特定小規模施設用自動火災報知設備の主な特徴は以下の通りです。

  • 無線連動型の感知器を使用しているため、配線不要で設置が簡単
  • 感知器が連動して鳴動するため、施設全体に大きな音声で火災を知らせる
  • 火災通報装置と連動すれば、消防機関への自動通報が可能
  • 300平方メートル未満の小規模施設に適した性能と機能
  • 比較的手頃な価格設定

設置費用と価格

民泊施設向けの特定小規模施設用自動火災報知設備には、茶色と白色のラインナップがあります。定価は茶色が14,800円、白色が12,800円となっています。設置費用については、施設の規模や構造によって異なりますが、一般的には4万円程度と比較的手頃な範囲にあります。

専門業者に相談すれば、適切な設備の選定や設置、点検などのサポートを受けられます。初期費用を抑えつつ、適切な火災対策を講じることができます。

設置が必要な理由

fire safety

小規模施設でも火災のリスクは存在します。特に、社会福祉施設や宿泊施設などでは、利用者の安全確保が重要です。火災発生時の早期発見と適切な対応が求められます。特定小規模施設用自動火災報知設備の設置は、次のような理由から義務付けられました。

早期火災発見と安全性の向上

特定小規模施設用自動火災報知設備は、無線連動型の感知器を使用しています。感知器が連動して鳴動することで、施設全体に火災発生を知らせることができます。これにより、早期の火災発見と迅速な対応が可能になり、利用者の安全性が高まります。

また、火災通報装置と連動すれば、消防機関への自動通報も可能です。初期消火活動と並行して、消防隊の出動要請ができるため、被害の拡大を最小限に抑えられます。

小規模施設の特性に合わせた設備

従来の自動火災報知設備は、大規模な施設向けに設計されていました。そのため、小規模施設への設置には、経済的な負担が大きすぎました。しかし、特定小規模施設用自動火災報知設備は、300平方メートル未満の小規模施設に適した性能と機能を備えています。

無線連動型の感知器を使用しているため、配線工事が不要で設置が簡単です。また、比較的手頃な価格設定となっているため、小規模施設でも導入しやすくなっています。

消防法の改正と義務化

2018年6月に消防法が改正され、特定小規模施設にも自動火災報知設備の設置が義務付けられました。これは、小規模施設における火災安全対策の強化を目的としています。法改正により、これまで設置していなかった小規模施設でも、特定小規模施設用自動火災報知設備を設置する必要があります。

設置期限は、平成30年3月31日までとなっています。この期限までに設置と消防機関への届出が必要です。

設置と維持管理

fire

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置と維持管理には、いくつかの注意点があります。適切な設置と定期的な点検が、火災発生時の適切な作動につながります。

設置場所と条件

設置場所は、居室や収納スペースなどに限定されています。また、木造3階建て以上の施設や15台以上の感知器連動には対応できません。施設の構造や規模に応じた設置計画が必要です。

専門業者に相談すれば、適切な設備の選定と設置場所の提案を受けられます。自社で設置する場合も、メーカーの指示に従って正しく設置することが重要です。

定期点検と電池交換

特定小規模施設用自動火災報知設備は、一部の無線式タイプであれば自らの点検も可能です。しかし、定期的な点検と電池交換が必要不可欠です。電池切れや故障した状態では、火災発生時に適切に作動しません。

メーカーの指示に従って、定期的な点検と電池交換を行いましょう。専門業者に依頼すれば、適切な時期に点検と交換を行ってもらえます。

消防機関への届出

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置後、消防機関への届出が必要です。設置場所や設備の種類、設置業者などの情報を提出する必要があります。

届出を怠ると、設備の適切な維持管理ができなくなる可能性があります。消防機関からの指導や助言を受けられなくなるためです。適切な手続きを行い、火災安全対策を確実に講じましょう。

まとめ

特定小規模施設用自動火災報知設備は、小規模な施設でも火災から利用者を守るための重要な設備です。消防法の改正により、社会福祉施設や民泊施設など、300平方メートル未満の特定小規模施設への設置が義務付けられました。

この設備は、無線連動型の感知器を使用しているため、配線不要で設置が簡単です。また、感知器が連動して鳴動するため、施設全体に火災発生を知らせることができます。さらに、火災通報装置と連動すれば、消防機関への自動通報も可能です。

設置後は、定期的な点検と電池交換が不可欠です。また、消防機関への届出も忘れずに行いましょう。適切な設置と維持管理を行えば、小規模施設でも火災の被害を最小限に抑えられます。法改正に従い、早期の対応をお勧めします。

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