はじめに
在留資格は、外国人が日本で活動を行うために必要な資格です。就労が可能な在留資格や身分・地位に基づく在留資格、就労が認められない在留資格など、幅広い種類が存在します。本記事では、在留資格の種類や取得要件、ビザとの違いなどについてわかりやすく解説していきます。企業の採用担当者や外国人の採用を考えている人にとって重要な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
在留資格の種類と取得要件
日本で活動を行うためには、在留資格が必要です。在留資格は、活動制限の少ない身分または地位に基づく在留資格と、活動内容や在留期間などの制限を受ける在留資格に大別されます。それぞれの在留資格には、異なる取得要件が設定されています。
身分・地位に基づく在留資格
永住者や日本人の配偶者等など、身分・地位に基づく在留資格は、就労制限が一切ない在留資格です。これらは、主に結婚や長期滞在を目的として取得されます。例えば、日本人の配偶者であれば、証明書類がそろっていれば申請が可能です。
ただし、身分・地位に基づく在留資格の取得要件も厳しく、入国管理庁の審査を受ける必要があります。特に永住者や配偶者等の在留資格は、申請時に提出する書類の内容や条件が非常に重要ですので、注意が必要です。
活動内容や在留期間などの制限を受ける在留資格
技術・人文知識・国際業務など、活動内容や在留期間などの制限を受ける在留資格は、一定の条件を満たすことで取得が可能です。ただし、活動内容によっては専門的な資格が必要な場合もありますし、在留資格の範囲を超えた活動は禁止されています。
また、活動内容や在留期間の制限を受ける在留資格は、更新手続きが必要な場合もあります。手続きには期間がかかることがあるため、期限ギリギリに申請しないよう十分注意しましょう。
ビザと在留資格の違い
ビザと在留資格は、似ている言葉ですが異なるものです。ビザは、上陸審査の際に使用するもので査証を意味し、在留資格は、一定の活動を認める資格です。この違いを理解し、正しく使い分けることが重要です。
ビザとは
ビザは、外国人が日本に入国する際に必要な査証です。ビザは、在留資格の取得が前提となっており、ビザが発給されると、そのビザの有効期間内に日本に入国することができます。
ビザの種類には、短期滞在ビザ、家族滞在ビザ、留学ビザなど、様々な種類があります。また、国によってビザの要件が異なるため、自分がどのビザに該当するのか、またその要件は何かをしっかりと把握することが重要です。
在留資格とは
在留資格は、外国人が日本で活動を行ううえで必要な資格です。ビザとは異なり、在留資格は、日本で活動を行うための資格であり、その具体的な活動内容や期間が決められています。
在留資格は、ビザの発行を受けて日本に入国した後でも、所定の手続きによって変更することが可能です。ただし、新たな在留資格を取得する際には、その要件を満たす必要がありますので、注意が必要です。
在留カードとは
在留カードは、外国人在留者が日本に滞在する際に必携するべき身分証明書です。この在留カードには、在留資格や在留期間が記載されており、雇用の際には非常に重要な役割を果たします。
在留カードの役割
在留カードは、外国人在留者の在留資格や在留期間、顔写真などが記載されたカードです。日本での就労を希望する外国人は、この在留カードを持って雇用主に提出することが求められます。企業は、採用する外国人の在留資格や在留期間を在留カードで確認することができます。
在留カードはまた、住民登録や医療保険証、免許証などと同様に、公的機関や金融機関での身分証明書としても使用できます。このため、日本で生活を営む外国人にとっては必需品となっています。
在留カードの発行手続き
在留カードは、日本に入国した外国人が入国管理局に申請することによって発行されます。発行手続きは、ビザの発給を受けて日本に入国した後に行われるため、外国人が自国でビザ申請をする際には、在留カードの申請書類を提出する必要はありません。
在留カードを紛失した場合には、速やかに最寄りの入管に紛失届を提出し、新しい在留カードを取得する必要があります。また、在留資格や在留期間の変更があった場合も、新しい在留カードを発行する手続きが必要となります。
就労が認められる在留資格とその要件
就労が認められる在留資格は、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、特定技能などの19種類があります。これらは一般的に「就労ビザ」とも呼ばれています。それぞれの在留資格には、取得要件が設定されています。
技術・人文知識・国際業務の在留資格と要件
技術・人文知識・国際業務の在留資格は、システムエンジニアや機械設計技師、翻訳・通訳、海外業務、語学教師などが該当します。この在留資格を取得するためには、大学で学んだ知識や経験に基づく業務であることが条件となります。
申請する際には、業務内容が学んだ知識と関連していることを証明する書類や、資格証明書、就職内定書などが必要です。また、単純労働は認められていませんので、そういった内容の業務を行おうとすると、在留資格の取得が難しくなります。
企業内転勤や特定技能の在留資格と要件
企業内転勤の在留資格は、グローバル企業の外国人社員が日本の支社や関連会社に転勤する際に取得される資格です。取得要件としては、外国の母国企業で一定期間以上勤務した経験が必要です。
特定技能の在留資格は、2019年4月から新設された技能実習制度の卒業者や人材確保の必要な業種で働く外国人労働者を対象とした資格です。取得要件としては、対象業種での業務経験や能力試験に合格することが求められます。
まとめ
本記事では、在留資格の種類や取得要件、在留カード、ビザとの違いについて解説しました。在留資格は、外国人が日本で活動や就労を行う上で非常に重要なものであり、適切な在留資格を取得しなければなりません。日本で就労を希望する外国人や、外国人採用を考慮している企業の採用担当者は、正確な情報を把握し、適切な手続きを行うことが大切です。
また、在留資格の取得や更新には手間や時間がかかることがあるため、計画を立てて早めに準備を始めることも重要です。最適な在留資格の選択や申請手続きについては、専門家に相談することがおすすめです。これらの注意点を押さえて、外国人の採用や日本での就労をスムーズに進めましょう。
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