はじめに
札幌市は、国内有数の観光地であり、毎年多くの国内外からの旅行者が訪れます。そのような中、民泊は新しい宿泊形態として注目を集めています。札幌市では、住宅宿泊事業法に基づき、民泊の運営には様々なルールが定められています。この記事では、札幌市における民泊のルールや手続き、物件情報、民泊事業者の活動などについて詳しく解説します。
民泊を始めるための手続き
札幌市で民泊事業を始める際には、いくつかの手続きが必要です。
札幌市への届出
住宅宿泊事業法に基づき、民泊を営もうとする者は、札幌市に届出をする必要があります。札幌市民泊総合窓口では、民泊の届出や運営に関する相談を受け付けています。届出に必要な書類や民泊の運営ルール、運営日数の制限、標識の掲示、宿泊実績の定期報告、民泊の適正な運営のための注意事項など、民泊を始める上で重要な情報が詳しく説明されています。
届出内容に変更があった場合は、変更後30日以内に変更届を提出する必要があります。また、民泊を廃業する場合は、廃止した日から30日以内に廃業届を提出する必要があります。
北海道への届出
札幌市で民泊を営もうとする場合、北海道にも届出が必要です。届出前に、北海道の条例や必要書類を確認する必要があります。条例では、学校周辺や住専区域などの指定区域での営業が制限されています。また、届出者の住所が北海道外の場合は住民票やマイナンバーカードの写しが必要です。さらに、賃貸物件や分譲マンションの場合は、所有者の同意や管理規約の確認が必要です。
民泊を運営する際は、北海道が作成した標識を掲示する必要があります。その他、消防法、食品衛生法、温泉法、都市計画法など、関連法規の確認も重要です。
消防法令への適合
札幌市では、住宅宿泊事業法に基づき、民泊の適正な運営を確保しつつ、観光需要に対応するため、民泊事業者に対して法令の理解と消防法令への適合が求められています。民泊を行う際は、事前に管轄の消防署から消防法令適合通知書の交付を受け、住宅宿泊事業の届出前に提出する必要があります。また、家主不在型の民泊では、宿泊客による出火防止と火災発生時の対応が重要となるため、事業者は宿泊客への周知を徹底するよう求められています。
民泊に関する業者情報
札幌市内には、民泊に関連する様々な業者が存在します。
住宅宿泊管理業者
札幌市内に住宅宿泊事業の届出予定住宅がある方は、札幌市への届出が必要となります。札幌市内の住宅宿泊事業者から届出住宅管理等の委託を行いたい方は、札幌市の住宅宿泊管理業者ページをご確認ください。
住宅宿泊仲介業者
札幌市内の住宅宿泊事業者や届出住宅のサービス提供のための契約代理等を行いたい方は、民泊制度ポータルサイトの「住宅宿泊仲介業者」ページをご覧ください。
人気の民泊施設
札幌市内には、人気の民泊施設が存在します。
レトロな雰囲気の施設
札幌市の人気の民泊施設では、レトロな畳のお部屋に大きなベッドが備わっています。無料のWi-Fiと無料タクシーサービスも提供されています。2015年12月に開業し、2019年12月に5周年を迎える当施設は、6年連続でスーパーホストに選ばれています。お客様への感謝の気持ちを込めて、キットカットやしろいこいびと、浴衣などのプレゼントをご用意しています。
最寄りの北24条地下鉄駅からタクシーをご利用いただけ、片道700円の費用をお支払いいただきます。
その他の施設例
以下の表は、札幌市内の民泊利用が可能な物件の一例です。
| 物件名 | 所在地 | 広さ | 月額家賃(税込) | 管理費等 |
|---|---|---|---|---|
| サークルマウンテン2 | 円山エリア | – | 38万5,000円 | – |
| シャロンハイツ | – | – | 28万6,000円 | – |
| 南郷通14丁目南 | 札幌市営地下鉄東西線「南郷13丁目」駅徒歩1分 | 61.49㎡(18.6坪) | 11万6,600円 | 7,700円 |
| 本郷通9丁目北 | 札幌市営地下鉄東西線「南郷7丁目」駅徒歩9分 | 64.88㎡(19.62坪) | 11万5,500円 | 7,700円 |
| 南一条西15丁目 | 札幌市電山鼻線「西15丁目」駅徒歩3分 | 44.81㎡(13.55坪) | 8万3,600円 | 6,600円 |
民泊事業者の取り組み
札幌市を中心に、北海道全域で民泊事業を展開している事業者もあります。
ワンストップサービス
民泊施設のセットアップから管理・運営、物件購入サポートまで、ワンストップでサービスを提供している事業者があります。データ分析に基づいた最適な民泊コンセプトの提案や、宿泊者とのコミュニケーション、清掃の改善により高い宿泊満足度を実現しています。
収益向上のサポート
大手民泊集客サイトでの集客力抜群の広告掲載や、シンプルで良心的な手数料設定により、オーナー様の収益向上をサポートする事業者もあります。
地域の魅力を活かした施設
札幌市を含む北海道の魅力的な自然環境や食文化を活かした多様性のある民泊施設の提供が、一部の事業者の使命となっています。
相談・苦情窓口
札幌市では、民泊に関する様々な相談や苦情を受け付けています。
相談内容の例
- 「民泊ってなに?」「民泊をはじめるにはどうしたらいいの?」といった基本的な質問
- 近隣に民泊施設があり困っているといった相談
相談方法
民泊に関する問い合わせは、札幌市民泊総合窓口で受け付けており、窓口来所や電話、メールなどで相談できます。
無届民泊施設への対応
無届の民泊施設に関する情報提供も受け付けており、詳細な所在地や建物の特徴、標識の有無、民泊の実施時期や具体的な迷惑行為などを教えていただくことで、適切な対応につなげていきます。
まとめ
札幌市では、住宅宿泊事業法に基づき、民泊の適正な運営を目指しています。民泊を始める際には、札幌市や北海道への届出が必要であり、関連法規の確認が重要です。札幌市内には、レトロな雰囲気の人気施設をはじめ、様々な民泊利用可能物件があります。民泊事業者によるワンストップサービスや収益向上のサポート、地域の魅力を活かした施設の提供など、民泊の発展に向けた取り組みが行われています。一方で、無届の民泊施設への対応や、近隣住民からの苦情相談にも対応しています。札幌市の豊かな観光資源と共に、民泊の適正な運営が期待されています。
