はじめに
民泊は近年、国内外を問わず人気の宿泊スタイルとなっています。横須賀市でも民泊ビジネスの解禁を受け、新たな観光の形が広がりつつあります。宿泊施設だけでなく、地元住民の家に泊まれるというのが民泊の最大の魅力です。今回は横須賀市における民泊の現状と、民泊を実施する上での注意点などをご紹介します。
民泊とは
民泊は一般の住宅で泊まれるサービスのことで、住宅宿泊事業法によって2018年に解禁されました。ホストと呼ばれる住居の提供者が、自宅の一部や別荘、空き家などを宿泊施設として開放するのが民泊です。
民泊のメリット
民泊には様々なメリットがあります。まず、従来の宿泊施設に比べてリーズナブルな価格で宿泊できるのが大きな魅力です。また、地元の人々との交流ができ、生活文化に触れられるのも民泊ならではの体験です。さらに、人里離れた立地の物件に宿泊できるため、新たな観光の形を楽しめます。
ホスト側にとってもメリットは多数あります。空き家や別荘を有効活用できるだけでなく、新たな収入源を得られます。さらに地域の活性化にもつながり、民泊を通じて地元を盛り上げることができるのです。
民泊の種類
民泊には主に3つの種類があります。
- 個人民泊: 一般住宅で行う民泊。住宅の一部を宿泊者に開放します。
- イベント民泊: 競技会や展示会など一時的なイベントの際に行う民泊。
- 空き家民泊: 空き家や古民家を活用して行う民泊。
横須賀市内でも個人民泊や空き家民泊が中心となっており、今後の広がりが期待されています。
横須賀市の民泊事情
横須賀市では2018年の住宅宿泊事業法の施行を受け、民泊ビジネスが解禁されました。現在は「民泊ポータルサイト」や「民泊コールセンター」を開設し、民泊の普及に力を入れています。
届出制度
横須賀市では民泊を実施する際に届出が必要となります。届出には以下の条件が課されています。
- 標識の掲示
- 消防法令への適合
- 年間180日までの営業日数制限
マンション等の共同住宅での民泊には、さらに管理組合の同意が必要不可欠です。無届での民泊は違法となり、罰則の対象となるため注意が必要です。
消防法令の適合
民泊を行う住宅は、消防法令に適合させる必要があります。具体的には以下の対策が求められます。
- 自動火災報知設備の設置
- 宿泊室内への避難経路図の掲示
- 防炎物品の使用
- 防火対象物使用開始届の提出
- 消防用設備の定期点検
ホストは出火防止、避難経路の確保、消火対策など、宿泊者の安全を最優先に考える必要があります。事前に消防署へ相談し、指導を受けることが肝心です。
長井地区の取り組み
横須賀市の長井地区では、以前から農家民宿を行う家庭が多く、地域活性化への貢献が大きい存在でした。現在も受け入れ家庭を100軒に増やす計画があり、民泊の力で長井地区の魅力を発信していく考えです。
一時は新型コロナウイルスの影響により営業を自粛せざるを得ませんでしたが、感染対策を徹底した上で民泊を再開。地元の人々と協力しながら、この難局を乗り越えようとしています。
民泊物件の事例
横須賀市内には、すでにユニークで魅力的な民泊物件が存在しています。例えば、三浦半島の自然を満喫できる「いりやまずのおうち」は、音楽スタジオも併設された斬新な物件です。
いりやまずのおうち
「いりやまずのおうち」は古民家を改装した宿泊施設で、最大10人まで宿泊可能です。リビングには無垢の木の床と暖炉があり、アジアンテイストのインテリアが印象的です。
この物件の最大の売りは、完全防音の音楽スタジオが設置されていることです。バンド合宿やリハーサルに最適で、カラオケやDJイベントにも使えます。設備が充実しているため、ミニシアターやレコーディングなど、様々な用途で活用できるでしょう。
その他の物件例
横須賀市内にはさまざまな魅力的な民泊物件が点在しています。例えば、山手の閑静な住宅街にあるゲストハウスや、港の近くの築100年を超える古民家、三浦半島の豊かな自然に囲まれた別荘など、それぞれに個性的な物件が揃っています。
物件によっては畳のお部屋や庭園、そして海の景色が楽しめるなど、横須賀ならではの体験ができます。宿泊以外にも、民家レストランやカフェとしての利用など、多彩な形で地域に溶け込んでいます。
まとめ
横須賀市では民泊の普及に積極的に取り組んでおり、観光振興や地域活性化の新しい手段として期待されています。制度面での規制は緩やかですが、安全面での配慮は欠かせません。一方で、魅力ある民泊物件が増えつつあり、従来の宿泊施設とは違う新鮮な体験ができそうです。
市の取り組みと事業者・ホストの努力が重なり、より良い民泊サービスが提供されることを願っています。地元の文化や自然を活かした、心に残る滞在体験を求める旅行者にとって、横須賀は魅力的な選択肢になるはずです。