はじめに
小田原市は、自然と歴史が織り成す魅力的な街です。最近では、民泊事業の隆盛により、新たな観光の形態や移住者受け入れの機会が生まれています。民泊を取り巻く環境や課題、小田原市の取り組みについて、詳しく見ていきましょう。
民泊と法規制
民泊事業を営むには、様々な法規制を理解する必要があります。
住宅宿泊事業法
民泊事業は「住宅宿泊事業法」の対象となります。この法律では、事業者に対して以下の義務が課されています。
- 届出番号の掲示
- 2か月ごとの宿泊者数報告
- 衛生・安全・快適性の確保
- 宿泊者名簿の作成・保管
- 周辺地域への悪影響防止
事業の変更や廃業時には、所定の手続きが必要です。小田原市内では、小田原保健福祉事務所への届出が義務付けられています。
旅館業法
一方、旅館業を営む場合は「旅館業法」の許可が必要です。最新の基準への対応や、定期的な許可更新が求められます。
小田原市内には、旅館業法に基づく許可施設と、住宅宿泊事業法に基づく届出施設(民泊)の2種類があります。事業者は、自身の事業形態を正しく理解する必要があります。
小田原の魅力ある民泊
小田原市には、ユニークなコンセプトの民泊施設が多数あります。
Tipy records House
「Tipy records House」は、音楽好きが集まる人気の民泊施設です。オーナーの内田佑介さんは、地元の空き家を改修し、レコードやCDを持参したゲストに割引を提供するユニークなコンセプトで運営しています。
コロナ禍で打撃を受けた内田さんは、地元の仲間と協力し、焼き芋屋の出店やテイクアウトサービスなどの新しい取り組みを行いました。さらに、地元の魅力を再発見し、お試し移住プログラムを成功させるなど、小田原の新しい魅力を発信する拠点となっています。
凹家
米神地区にある古民家の一棟貸し宿「凹家」は、最大14名まで宿泊可能な魅力的な民泊施設です。根府川駅や箱根に便利なアクセスがあり、海沿いの美しい景色を楽しめます。
宿泊料金は1泊4,200円/人から柔軟に設定されており、設備も充実しています。近隣の米神漁港では手軽な釣り体験やBBQ、花火、ご来光の鑑賞も楽しめます。小田原の自然の魅力を存分に味わえる素敵な宿泊施設といえるでしょう。
民泊運営のサポート
小田原市では、民泊事業者に対して様々なサポートを行っています。
民泊代行サービス
「みんサポ」は、小田原・箱根エリアに特化した民泊運営の代行サービスを提供しています。物件の適法性判断から申請・許可取得、清掃業務、収益モデルの提案まで、開業から運営までトータルでサポートしてくれます。
開業前は物件の仲介・販売、融資コンサルティングなども行い、オープン後は予約管理や料金設定、レポート作成など手間いらずの管理を実現します。専門家による丁寧なサポートが受けられるため、安心して民泊事業に取り組めます。
小田原市の支援サービス
小田原市自身も、民泊事業者向けに幅広いサポートサービスを提供しています。
開業時のサポート | 運営時のサポート |
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開業から運営まで手厚くサポートしてくれるため、効率的に民泊事業を始めることができます。また、ゲストの満足度向上にも寄与するサービスが提供されています。
観光と移住の架け橋
小田原市の民泊事業は、地域経済の活性化や移住者の受け入れにも大きな役割を果たしています。
地域交流の場
Tipy records Houseでは、お試し移住プログラムを運営しています。このプログラムは移住希望者が地域に溶け込むきっかけづくりを目的としており、参加者同士や地域住民との交流を大切にしています。
内田さんは「ティピーのローカルキャンパス」という企画も立ち上げ、20代の参加者に小田原との関わりを提供しています。民泊を通して、移住者や若者が地域に溶け込み、小田原を愛する仲間を増やすことを目指しています。
地域活性化への貢献
民泊事業は、観光客の増加や移住者の受け入れを通じて、小田原市の地域活性化に大きく貢献しています。自然や歴史ある街並みなど、小田原の魅力を体感できる宿泊施設が多数あることも、大きな強みとなっています。
市では、民泊事業者に対する様々な支援を行うことで、事業の発展を後押ししています。今後、民泊事業がさらに発展し、小田原市の活性化に寄与することが期待されています。
まとめ
小田原市の民泊事業は、自然と歴史の魅力を体感できる素晴らしい機会を提供しています。一方で、事業者には法令を遵守する義務があり、適切な届出や報告が求められます。
市では、ユニークな民泊施設が多数あり、民泊を通した地域交流や移住者受け入れにも力を入れています。さらに、開業から運営までサポートを行うことで、民泊事業者を積極的に支援しています。
小田原市の民泊事業は、観光振興と地域活性化の両面で大きな役割を担っています。これからも、市民や事業者、行政が一体となって、魅力ある街づくりを進めていくことでしょう。