民泊の許可取得と費用ガイド: 開業を成功させるために知っておくべきこと

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目次

はじめに

民泊ビジネスは近年人気が高まっていますが、一方で法的な規制も厳しくなっています。民泊を始めるには様々な手続きと費用がかかるため、事前の準備が欠かせません。本記事では、民泊開業に必要な許可や届出、それに伴う費用などについて詳しく解説します。民泊ビジネスに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

民泊の種類と手続き

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民泊にはいくつかの形態があり、それぞれに異なる手続きが必要となります。まずは民泊の種類と手続きについて理解を深めましょう。

簡易宿所営業(ゲストハウス型民泊)

旅館業法に基づく簡易宿所営業とは、宿泊施設としての設備基準を満たし、都道府県の許可を得て営業する形態です。申請手続きが煩雑で、設備投資も必要となるため、初期費用がかさみます。一方、営業に制限はなく、長期的な経営が可能です。

簡易宿所営業の許可を得るには、以下の手順を踏む必要があります。

  1. 事前調査(5万円程度)を行い、許可の可能性を確認する
  2. 都道府県への許可申請書類を作成し、提出する(本申請費用40万円程度)
  3. 保健所による現地検査を受け、許可を得る(申請手数料16,500円~22,000円程度)

特区民泊

国家戦略特別区域法に基づく特区民泊は、国の認定を受ければ比較的簡単に始められます。ただし、対象地域や最低宿泊日数(2泊3日以上)など一定の制限があります。手続きは次のとおりです。

  1. 事前相談を行い、申請の可否を確認する
  2. 申請書類を作成し、地方自治体へ提出する(大田区32万円、大阪市27万円程度)
  3. 認定を受ければ特区民泊として営業可能

民泊新法(住宅宿泊事業)

住宅宿泊事業法(民泊新法)による届出住宅の民泊は、条件さえ満たせば比較的簡単に始められます。ただし、年間180日以内の営業に限られます。手続きは次の通りです。

  1. 住宅宿泊事業者届出(24万円程度)を都道府県に提出する
  2. 住宅宿泊管理業の登録申請(24万円程度)を行う
  3. 届出後、民泊として営業可能

民泊開業にかかる費用

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民泊を開業する際には、様々な費用がかかります。初期費用と運営費用を事前に把握し、予算を立てておくことが重要です。

初期費用

民泊を始めるための初期費用は50万円~100万円程度と見られています。主な費用は以下の通りです。

  • 申請手続き費用(許可申請や届出など)
  • 消防設備工事費用(消火器、自動火災報知器、誘導灯など)
  • 家具家電購入費用
  • リネン、清掃用品購入費用
  • 物件の賃料、保証金、仲介手数料(借家の場合)

中古の家具家電を活用したり、改装が不要な物件を選んだりすることで、初期費用を抑えることができます。また、専門家に依頼せずに自分で申請手続きを行えば、さらにコストを削減できます。

運営費用

民泊の運営にかかる主な費用は以下の通りです。

  • 民泊管理業者への運営代行費用(売上の20%程度)
  • 清掃費用
  • リネン交換費用
  • 宿泊税納付費用

運営業務の一部のみを委託すれば、月額19,800円から運営可能です。自分で全て行えばさらにコストを抑えられますが、手間もかかります。

専門家に依頼する場合の費用

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民泊の申請手続きは複雑なため、行政書士や民泊管理業者に依頼すると便利です。専門家に依頼する場合の費用相場は次の通りです。

行政書士への申請代行費用

  • 民泊新法:約20万円前後
  • 旅館業法/特区民泊:25万円~40万円

民泊管理業者への運営代行費用

  • 運営代行:売上の20%程度
  • 部分業務委託:月額19,800円~

行政書士に依頼すれば、正確な申請が可能になり手続きを円滑に進められます。民泊管理業者に運営を委託すれば、業務負担を軽減できます。費用はかかりますが、事業の安定的な運営に役立ちます。

民泊ビジネスに関する助成金制度

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民泊事業を始める際にかかる費用を軽減するため、助成金制度を活用するのも一つの方法です。

民泊活用支援助成金

茨城県では、民泊の誘致と活性化を目的とした「民泊活用支援助成金」制度を設けています。認定事業者には、広報宣伝費用や改修費用の一部が補助されます。

起業・創業支援助成金

一部の自治体では、中小企業の起業や創業を支援する助成金制度があり、民泊事業にも活用できる場合があります。自治体によって要件や支援内容が異なるため、詳細は事前に確認する必要があります。

まとめ

民泊ビジネスは魅力的ですが、法的な規制もあり、様々な手続きと費用が必要になります。事業開始前に、自分に合った民泊の形態を選び、申請手続き、運営体制、助成金活用の有無などをよく検討しましょう。慎重な準備が、安全で合法的な民泊経営につながります。本記事が民泊開業を検討する方々の一助となれば幸いです。

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