【必読】深夜営業許可のすべて!取得方法から注意点までわかりやすく解説

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目次

はじめに

飲食店を経営する上で、深夜の営業時間は重要な課題の一つです。深夜営業を行う場合、単に店を開けておくだけでは問題があり、法律で定められた手続きを経る必要があります。この記事では、深夜営業許可の取得方法や注意点について詳しく解説していきます。

深夜営業許可とは

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深夜営業許可とは、飲食店が深夜0時から午前6時までの間に酒類を提供して営業する際に必要となる届出のことです。この許可を得ないで深夜営業を行うと、法律違反となり罰則の対象となります。

許可が必要な店舗

居酒屋やバーなど、酒類の提供が主な営業内容の飲食店が深夜も営業する場合、深夜営業許可が必要となります。一方、ラーメン店やファミリーレストランなど、主食の提供が主な営業内容の店舗では、深夜営業許可は不要です。

ただし、メニューで酒類を提供していても、食事がメインの営業形態であれば届出は不要です。逆に酒類の提供が主な営業形態であれば、食事の売上が少なくとも届出が必要になります。

届出の手順

深夜営業許可を取得するには、営業開始の10日前(法人は20日前)までに、店舗の所在地を管轄する警察署へ届出を行う必要があります。届出には以下の書類が必要となります。

  • 深夜営業開始届出書
  • 営業の方法を記した書面
  • 営業所の平面図
  • 住民票の写し(個人の場合)
  • 法人の登記事項証明書(法人の場合)

届出が受理されると「届出受理書」が発行され、営業開始から10日後に深夜営業を開始できます。一部の都道府県では「届出済ステッカー」の交付を受け、店頭に貼る必要があります。

罰則規定

無届けで深夜営業を行うと、50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。また、従業者名簿の備え付け義務違反や、未成年者への酒類提供、客引き行為の禁止など、様々な規制に違反した場合も罰則の対象となります。

風俗営業や特定遊興飲食店営業(スポーツバー、ダーツバーなど)の許可を受けていても、深夜酒類提供は別の届出が必要です。逆に風俗営業や接待を伴う飲食店での深夜営業は、深夜酒類提供の届出だけでは認められません。

設備基準など

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深夜営業許可を取得するためには、店舗が一定の設備基準を満たしていなければなりません。届出の際に審査されるポイントとして、以下のような項目が挙げられます。

用途地域の制限

用途地域によっては、深夜営業が制限される地域があります。住居系の用途地域では、原則として深夜営業は認められません。店舗の立地条件を満たさない場合、許可は得られません。

例外的に、商業地域に隣接した住居系地域では、一定の要件を満たせば深夜営業が認められる場合もあります。立地条件については、事前に管轄警察署に相談することが重要です。

客室の面積・設備基準

客室の面積や設備についても、一定の基準が設けられています。客室の面積、照度、換気設備、防音設備など様々な条件を満たす必要があります。

項目 基準
客室の最低面積 16.5平方メートル以上
客室の照度 10ルクス以上
換気設備 適切な換気が行えること
防音設備 外部に音漏れしないこと

基準を満たさない場合、設備の改修を求められることがあります。深夜営業中の騒音や振動への十分な対策が求められています。

その他の条件

その他に、消防設備の設置や飲料の自動販売機の設置が義務付けられている場合があります。盗撮防止のための防犯カメラの設置など、利用客の安全性の確保も重要な要件となっています。

また、食品衛生責任者の設置や、従業員の健康診断の実施なども義務付けられており、食品衛生面での対策も欠かせません。

届出後の義務

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深夜営業許可の届出を行った後も、様々な義務が課せられています。これらを怠ると、許可の取り消しや営業の禁止処分を受ける可能性があります。

従業者名簿の備え付け

従業者名簿の備え付けが義務付けられており、従業員の氏名、住所、生年月日などを記載する必要があります。新規の従業員が入った場合は、30日以内に届出を行わなければなりません。

従業者名簿は、店舗の見やすい場所に備え付けることが求められています。警察による立入検査の際に確認されるため、常に最新の情報を記載しておく必要があります。

営業内容の変更届

深夜営業の内容に変更があった場合、変更届を提出する必要があります。届出内容と異なる営業を行うと、許可取り消しの対象となる可能性があります。

変更内容としては、営業時間の変更、酒類の提供方法の変更、店内設備の変更などが該当します。軽微な変更であっても届出が必要となるため、注意が必要です。

廃業届の提出

深夜営業を廃止する場合は、廃業届を提出する義務があります。店舗の移転や営業形態の変更などでも、深夜営業を廃止する場合は届出が必要となります。

廃業届を怠ると、引き続き深夜営業を行っているものと見なされ、違反となる可能性があります。速やかに手続きを行うことが重要です。

まとめ

飲食店が深夜に営業する場合、深夜営業許可の取得が必須となります。許可を得るためには、様々な書類の準備や、店舗の設備基準の確認が欠かせません。用途地域の制限にも注意が必要です。

許可を取得した後も、従業者名簿の備え付けや変更届の提出、廃業届の提出など、継続的な義務が課せられています。これらの義務を怠ると、営業停止処分や許可取り消しの対象となる可能性があります。

深夜営業には様々な手続きと義務がありますが、適切に対応することで、安全で適正な深夜営業が可能となります。事前に十分な準備を行い、管轄警察署とも相談しながら手続きを進めていくことが重要です。

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