外国人芸術家の夢を叶える!?興行ビザ取得の完全ガイド

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目次

はじめに

近年、グローバル化が進む中で、外国人芸術家やスポーツ選手などが日本で活動する機会が増えています。そのような場合に必要となるのが「興行ビザ」です。今回は、興行ビザについて詳しく解説していきます。興行ビザの種類、取得方法、必要書類など、様々な観点から興行ビザをくまなく紹介します。外国人の受け入れを検討している企業の方や、自身が興行ビザを取得したい外国人の方に役立つ情報が満載です。

興行ビザとは

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「興行ビザ」は、その名の通り、外国人が日本で演劇や演芸、スポーツなどの興行活動や芸能活動を行う際に必要となるビザです。文字通り「興行」のために在留が認められるビザなのです。

興行ビザの種類

興行ビザには大きく分けて1号から4号までの4種類があります。それぞれ対象となる活動内容が異なります。

  • 1号: 演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏などの興行活動
  • 2号: プロスポーツの試合やダンスコンテストなどの興行活動
  • 3号: 商品・サービスの宣伝活動、放送番組・映画の制作、写真撮影、レコーディングなど
  • 4号: その他の芸能活動

このように、興行ビザは幅広い分野の活動が対象となっています。自身の活動内容に合わせて、最適な種類のビザを選ぶ必要があります。

興行ビザの在留期間

興行ビザの在留期間は最長5年間です。ただし、活動内容や申請者の実績によって、在留期間は3年、1年、3ヶ月など様々な設定がなされます。長期間の活動を予定している場合は、できるだけ長い在留期間を認めてもらえるよう、申請時に十分な準備が必要です。

興行ビザの適用例

興行ビザが必要となる代表的な例としては、以下のようなものがあげられます。

  • 外国人ミュージシャンが日本で音楽コンサートを行う場合
  • 外国人俳優が日本の映画に出演する場合
  • 外国人プロスポーツ選手がリーグ戦に参加する場合
  • 外国人モデルがCMや雑誌の撮影を行う場合

このように、様々な分野の活動で興行ビザが適用されます。活動内容に合わせて、適切なビザの種類を選択することが重要です。

興行ビザ取得の流れ

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興行ビザを取得するには、在留資格認定証明書の交付申請と、査証(ビザ)の発行申請の2段階の手続きが必要です。

在留資格認定証明書の交付申請

まずは在留資格認定証明書の交付申請から始まります。この申請は、日本国内の入国管理局に対して行います。申請に必要な書類としては、以下のようなものがあります。

  • 申請書
  • 写真
  • 申請人(外国人)の経歴書や活動実績を証明する書類
  • 契約機関や出演施設に関する資料(登記事項証明書、決算書など)
  • 契約書や報酬を証明する書類

必要書類は興行ビザの種類によって異なるため、事前に十分確認が必要です。申請から交付までには1~2ヶ月程度の時間を要します。

査証(ビザ)の発行申請

在留資格認定証明書が交付されたら、次は外国人が居住国の日本大使館や領事館に赴き、査証(ビザ)の発行申請を行います。ここでも一定の書類の提出が求められます。申請から発行までは1~2週間程度かかるものの、比較的スムーズに手続きが進みます。

ビザが発給されたら、外国人は発給日から3ヶ月以内に日本への入国を果たす必要があります。再入国の際は別途「再入国許可」の手続きが必要です。

興行ビザ取得の要件

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興行ビザを取得するための具体的な要件は、ビザの種類によって異なります。ここでは、代表的な1号と2号の要件を紹介します。

興行ビザ1号の要件

興行ビザ1号は、演劇や歌謡、舞踊などの興行活動が対象です。主な要件は以下の通りです。

  • 申請人は、海外の教育機関で関連科目を2年以上専攻するか、海外で2年以上の公演実績がある
  • 申請人は、日本の機関と契約し、月額20万円以上の報酬を受ける
  • 受入れ機関は、外国人の興行業務で3年以上の経験を持つ経営者や管理者がいる
  • 出演施設は、一定の面積の舞台や控室、従業員を有している

このように、申請人の実績、報酬水準、受入れ機関と施設の要件など、様々な条件が課されています。

興行ビザ2号の要件

一方、興行ビザ2号はプロスポーツの試合やダンスコンテストなどが対象です。主な要件は以下の通りです。

  • 申請人は、所属する団体とプロ契約を締結している
  • 申請人の活動内容や報酬が、日本人と同等以上である
  • 受入れ機関は、過去に外国人を受け入れた実績がある

スポーツ選手の場合は所属団体との契約関係が重視され、報酬水準については日本人との同等性が求められます。

興行ビザ取得に向けた準備

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申請に際しては、様々な書類の準備が必須です。不備があれば審査に影響を及ぼす可能性があるため、入念な準備が肝心です。

申請書類の作成

興行ビザの申請には、以下のような書類が必要となります。

  • 申請書
  • 写真
  • 申請人の経歴書や活動実績を証明する書類
  • 契約機関に関する書類(登記事項証明書、決算書、経営者・職員名簿など)
  • 出演施設に関する書類(営業許可証、図面、写真など)
  • 契約書や報酬を証明する書類

契約機関や出演施設に関する書類は、それぞれの要件を満たしていることを示す重要な証拠書類です。申請人個人に関する書類も、実績や経歴を裏付ける証明が不可欠です。

時間的な余裕を持つ

興行ビザの申請から取得までには相当の時間を要します。入国管理局の審査に1~2カ月、ビザ発給に更に1~2週間かかるため、イベントの日程に間に合わなくなるリスクがあります。特に審査の過程で追加の書類を求められた場合は、更に時間を要することになります。そのため、できるだけ時間に余裕を持った準備が肝心です。

専門家に相談する

興行ビザの申請は、書類の種類が多く、要件も厳しいため、専門家に相談するのがおすすめです。特に初めての申請では、行政書士や関連の専門家から適切なアドバイスを受けることで、スムーズな手続きが可能になります。

まとめ

本記事では、興行ビザについて様々な側面から解説してきました。興行ビザには複数の種類があり、取得に向けた要件も活動内容によって異なります。申請手続きは2段階に分かれており、特に在留資格認定証明書の取得が審査の核心です。申請に向けては、契約機関や出演施設、報酬額など様々な証明書類の準備が不可欠です。

時間的余裕を持った上で、専門家の助言を仰ぎながら丁寧に準備を進めることが肝心です。外国人の受入れを検討する企業側も、日本で活躍を目指す外国人芸術家・スポーツ選手側も、興行ビザ取得に向けて適切な対策を講じる必要があるでしょう。文化交流の促進や相互理解の増進に寄与する、興行ビザの重要性を再認識していただければと思います。

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