民泊は空き家活用の切り札?知っておくべき7つのデメリット

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目次

はじめに

空き家問題は深刻化しており、適切な対策が求められています。一方で、空き家を有効活用する手段として民泊への転用が注目されています。しかし、民泊への転用には様々なデメリットが存在します。本記事では、空き家を民泊として活用する際のデメリットについて、詳しく解説していきます。

法的制限

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民泊を行う上で、最も大きな制限となるのが法的な規制です。

住宅宿泊事業法の制約

民泊は住宅宿泊事業法の対象となり、年間での営業日数が180日と制限されています。これは通年での稼働を困難にし、収入の制約となります。また、設備基準や手続き上の要件も課されるため、コストがかかることも考えられます。

観光シーズンに合わせた柔軟な対応が求められますが、地域によっては需要が見込めない時期も発生するでしょう。この制限は避けられないデメリットといえます。

旅館業法への切り替えの必要性

年間を通して民泊を行いたい場合は、旅館業法の許可を取得する必要があります。しかし、旅館業法の基準は民泊より厳しく、設備投資などの大きな初期コストがかかります。既存の空き家で満たすのは難しい場合もあり、コスト面で大きな負担となります。

また、旅館業法の申請には消防法などの他法令の遵守も必要となり、手続きが複雑になります。このように、通年営業を目指す場合は、法的な壁が高いのが現状です。

収益の不安定さ

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民泊事業の最大の課題は、収益が安定しないことです。

景気変動の影響

民泊は宿泊需要に大きく影響を受けるビジネスモデルです。景気後退期や不況時には、観光需要が落ち込むため、宿泊客が減少し、収益が悪化します。また、感染症の流行などの社会情勢の変化にも大きく左右されます。

新型コロナウイルス感染症の影響で、インバウンド需要が大幅に落ち込んだことは記憶に新しいでしょう。このように、民泊の収益は外的要因によって大きく変動するリスクがあります。

周期的な需要変動

民泊の需要は季節や催事、イベントの開催時期によっても変動します。例えば、観光シーズンでは需要が高まりますが、オフシーズンでは低迷する傾向にあります。需要の高い時期に集中して営業しないと、収益が上がりません。

このように、民泊の収益は不安定で、予測が難しいのが実情です。事業の継続性を考えれば、不安定な収入源に頼るリスクは高いと言えるでしょう。

運営上の課題

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収益面だけでなく、民泊の運営自体にも様々な課題が存在します。

トラブルへの対応

民泊では、ゲストによる器物破損やマナー違反、近隣住民からのクレームなど、様々なトラブルが発生する可能性があります。特に外国人ゲストの場合は、言語や文化の違いから予期せぬトラブルが起こりやすくなります。

このようなトラブルに適切に対処できなければ、ゲストの満足度が低下し、評価が悪化してしまいます。また、近隣トラブルが深刻化すれば、民泊の継続自体が難しくなるおそれもあります。事前の対策と迅速な対応が求められます。

設備の維持・管理

民泊施設の家具や設備は、頻繁に入れ替わるゲストの利用によって、早期に劣化や破損が生じやすくなります。このため、定期的な修繕や入れ替えが必要になり、維持コストがかさむ可能性があります。

さらに、従来の住宅とは異なり、宿泊施設としての設備水準を満たす必要があります。例えば、宿泊者用の鍵の管理、Wi-Fi環境の整備、多言語対応なども求められます。こうした設備投資も、コストアップの要因となります。

管理体制の構築

家主不在型の民泊では、専門の住宅宿泊管理業者への業務委託が義務付けられています。この場合、管理費用が発生するため、収支の悪化につながる可能性があります。また、ゲストとのやり取りは管理業者が行うため、オーナー自身がゲストの声に直接触れる機会が失われてしまいます。

一方、オーナー自身が管理を行う場合は、いつでも対応できる体制を整える必要があり、負担が大きくなります。休日や夜間の対応など、プライベートな時間が制約されるデメリットも生じます。

まとめ

以上のように、空き家を民泊として活用する際には、様々なデメリットに留意する必要があります。法的規制による制約、収益の不安定さ、運営面での多くの課題といった点が挙げられます。

民泊事業には魅力的な側面もありますが、デメリットを十分に理解した上で、丁寧に検討することが重要です。単に空き家の活用方法として民泊を選択するのではなく、ビジネスとしての収益性や継続性、自身のリソースなども踏まえた総合的な判断が求められるでしょう。

空き家の有効活用は重要な課題ですが、民泊以外の選択肢も視野に入れつつ、最善の方法を見出す必要があります。本記事が民泊のデメリットを理解する一助となれば幸いです。

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