はじめに
民泊事業が人気を集めるにつれ、住宅宿泊管理業者の役割が重要視されています。民泊新法の施行に伴い、家主不在型の民泊施設では住宅宿泊管理業者の活用が義務付けられました。そこで本日は、住宅宿泊管理業者の費用について詳しく解説したいと思います。
住宅宿泊管理業者の登録と費用
まず、住宅宿泊管理業者になるための登録手続きと費用について説明します。
登録要件
住宅宿泊管理業者の登録には、一定の要件を満たす必要があります。個人の場合は、住宅の取引や管理に関する2年以上の実務経験が必要です。また、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士のいずれかの資格を持っている必要があります。
法人の場合は、同様の実務経験を持つ従業者を雇用しているか、宅地建物取引業の免許、マンション管理業の登録、賃貸住宅管理業の登録のいずれかを取得している必要があります。
登録手数料
住宅宿泊管理業者の登録には、以下の手数料がかかります。
- 法人や個人の場合: 165,000円
- 宅建業、マンション管理業、賃貸住宅管理業の場合: 145,000円
- 登録内容の変更: 1項目33,000円、2項目以上55,000円以上
また、住宅宿泊仲介業の登録料は165,000円、旅館業や特区民泊の事前調査・相談は66,000円〜110,000円程度です。
更新手数料
住宅宿泊管理業者の登録は5年ごとに更新が必要で、更新手数料として19,700円がかかります。
住宅宿泊管理業者への委託費用
次に、民泊の運営管理を住宅宿泊管理業者に委託する際の費用について解説します。
完全代行の場合
民泊運営の全ての業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合、費用は以下のようになります。
- 総売上の15%〜30%が管理費用としてかかる
- さらに月額5万円〜10万円程度の清掃費用がかかる
例えば、年間180日の稼働で売上が2,880万円の場合、管理費は576万円となります。
部分代行の場合
一部の業務のみを委託する部分代行の場合、費用は以下のようになります。
- 月額1万円〜2万円程度の管理費用がかかる
- 委託する業務の内容によって費用は変動する
ただし、ほとんどの住宅宿泊管理業者は完全代行を専門としており、部分代行サービスを提供していないところが多いようです。
再委託型モデル
ゆめゆめトラベルのような再委託型の運営では、民泊業務をホストが用意した業者に再委託できるため、ゆめゆめトラベルへの報酬は月額1,200円(税抜)と非常にリーズナブルです。
ただし、初回登録料は申請が通らない場合でも返金できず、審査基準に基づいて申請をお断りする場合もあります。
費用の節約方法
住宅宿泊管理業者への委託費用を節約する方法もいくつかあります。
自身で一部業務を行う
完全代行で委託した上で、清掃や点検など一部の業務を自身で行うことで、管理委託費用を抑えることができます。
部分代行を活用する
家主居住型の民泊では、部分代行を利用して必要最低限の業務のみを委託することで、費用を抑えることができます。
料金体系を比較する
民泊運営代行サービスを提供する企業によって、料金体系や対応エリアが異なります。事前に複数社の料金を比較し、自分のニーズに合った最適なサービスを選ぶことが重要です。
まとめ
民泊事業を行う上で、住宅宿泊管理業者への委託は避けられません。しかし、適切な業者を選び、委託範囲や料金体系を工夫することで、費用を抑えながら効率的な運営が可能になります。民泊事業を始める際は、管理費用を適切に見積もり、自分のニーズに合った最適な方法を選ぶことが重要です。
