はじめに
日本は高度な技術力とグローバル化した経済を有する国として知られており、外国人材の活躍が欠かせません。そのような人材を確保するための重要な制度が「就労ビザ」です。本記事では、就労ビザの種類や取得方法、注意点などについて詳しく解説していきます。
就労ビザとは
就労ビザとは、外国人が日本で合法的に就労できるよう認められた在留資格のことを指します。
就労ビザの必要性
日本国籍を持たない外国人が日本国内で就労するには、就労ビザの取得が義務付けられています。就労ビザを持たずに働くと、不法就労と見なされ処罰の対象となるため、注意が必要です。
企業が外国人を雇用する際も、就労ビザに関する手続きと管理責任があります。ビザの有無を確認し、適切に取得させることが企業に求められます。
就労ビザの種類
就労ビザには以下のような種類があり、それぞれ対象となる職種や要件が異なります。
- 技術・人文知識・国際業務
- 企業内転勤
- 経営・管理
- 法律・会計業務
- 医療
- 教育
- 研究
- 介護
- 技能実習
- 特定技能
就労以外の在留資格
一方、以下のような在留資格は、原則として就労が認められていません。
- 留学
- 家族滞在
- 文化活動
- 短期滞在
就労ビザの取得方法
就労ビザの取得には複数の手順があり、準備に時間を要する点に注意が必要です。
在留資格認定証明書の申請
就労ビザの申請手続きは、まず出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」の交付申請を行うことから始まります。この申請では、外国人の学歴や職務経験、採用予定の企業の概要など、様々な書類の提出が求められます。
申請から認定までには、通常1〜3か月程度かかります。認定された場合、在留資格認定証明書が発行されます。
ビザ(査証)の申請
在留資格認定証明書が交付されると、次のステップとして在外日本公館でビザ(査証)の発給申請を行う必要があります。これには、在留資格認定証明書のほか、パスポートや写真などの提出が必要になります。
ビザが発給されれば、日本への入国が可能となります。
在留資格の更新
就労ビザには有効期間があり、その期間を超えて就労を続ける場合は更新が必要です。更新の際も、勤務先の変更や報酬の変化など、状況に応じた書類の準備が求められます。
企業の責任
外国人を雇用する企業には、就労ビザに関する以下のような責任があります。
適切な在留資格の確認
雇用する外国人が就労できる適切な在留資格を保持しているかどうかを確認する必要があります。また、社内で外国人従業員の在留資格を適切に管理する体制を整える必要もあります。
日本人と同等以上の待遇確保
外国人従業員に対しては、日本人と同等以上の報酬や労働条件を提供する義務があります。差別的な扱いは法律で禁止されています。
在留資格の取り消しリスクへの対応
外国人従業員の在留資格が取り消された場合に、直ちに就労関係を終了させる必要があります。就労ビザに関する制度変更などにも注意が必要です。
まとめ
就労ビザは外国人が日本で合法的に働くための重要な制度です。企業が外国人材を確保する際は、就労ビザの種類と取得要件を十分に理解し、手続きを適切に行う必要があります。また、外国人従業員に関する雇用管理や労務対応では、法令順守が不可欠です。グローバル人材の採用と活用に向けて、就労ビザへの対応を怠らず、社内体制を整備することが求められます。
