民泊vs旅館業法、知らないと損する7つの決定的な違い

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目次

はじめに

民泊ビジネスは近年注目を集めており、旅行者にとって魅力的な宿泊形態として人気が高まっています。一方で、旅館業法との違いなど法的な側面での理解が不可欠となっています。本記事では、民泊と旅館業法の違いについて、さまざまな観点から詳しく解説していきます。

営業日数の制限

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民泊と旅館業法の大きな違いの一つが、営業日数の制限についてです。まずは、この点について掘り下げていきましょう。

民泊の営業日数制限

民泊新法(住宅宿泊事業法)では、年間180日以内の営業日数制限が設けられています。この制限は、日本国内での民泊事業の適正化と健全化を目的として設けられました。180日を超えて営業を行う場合は、旅館業法の許可が必要となります。

営業日数制限があることで、民泊は本来の目的である「住宅の有効活用」という位置づけが維持されます。また、旅館業との棲み分けを図ることができ、民泊事業者と旅館業者の健全な競争関係が保たれることが期待されています。

旅館業法における営業日数

一方、旅館業法に基づく旅館やホテルの営業には、営業日数の制限がありません。年間を通して営業が可能であり、より収益を最大化することができるのが特徴です。

ただし、旅館業の許可を得るためには、様々な基準を満たす必要があります。建物の構造基準、消防設備の設置、用途地域の制限など、民泊よりも高い安全性と衛生面での水準が求められます。

立地規制

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民泊と旅館業ではまた、立地規制についても違いがあります。この点を確認しておきましょう。

民泊の立地条件

民泊新法において、民泊事業は工業専用地域を除く全ての用途地域で可能となっています。住居専用地域でも民泊の開業が認められているため、立地の自由度が高いと言えます。

ただし、自治体によっては独自のルールを設けている場合がありますので、開業の際は各自治体への確認が必要不可欠です。分譲マンションの場合も、管理規約で禁止されていないかを事前に確認する必要があります。

旅館業の用途地域規制

旅館業法の対象となる旅館やホテルの立地については、用途地域の制限があります。基本的には商業地域や近隣商業地域で開業が認められていますが、住居専用地域では建設が難しくなっています。

用途地域の規制は、住環境の維持や防火対策を目的としています。旅館業は不特定多数の宿泊客を受け入れるため、一定の安全性と衛生面での配慮が求められるためです。

消防法令と設備基準

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民泊と旅館業では、適用される消防法令や設備基準にも違いがあります。安全面での違いを見ていきましょう。

民泊の消防設備基準

民泊の場合、消防法上は一般住宅と同様の扱いとなります。具体的には、自動火災報知設備と住宅用消火器など、最低限の消防設備の設置が義務付けられています。

ただし、自治体によっては独自のルールを設けている場合もあります。東京都の場合、一定の規模以上の民泊物件では、スプリンクラーの設置が義務付けられています。

旅館業の消防設備基準

一方、旅館業法の対象となる施設は、規模に応じて様々な消防設備の設置が義務付けられています。例えば、客室30室以上の施設ではスプリンクラー設備が必須となり、地下街や高層建築物には、さらに厳しい基準が課されます。

このように、旅館業では不特定多数の宿泊客の安全を確保するために、消防法令上の基準が民泊よりも厳しくなっています。

申請手続きの違い

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民泊と旅館業では、開業に向けた申請手続きにも違いがあります。それぞれのプロセスを確認しましょう。

民泊の届出と登録

民泊新法に基づく民泊事業を開始する際は、住宅宿泊事業者の届出が必要となります。家主居住型と家主不在型で手続きが異なり、家主不在型の場合は国土交通大臣等への登録が必須です。

届出や登録は、民泊サービスの適正化やトラブル防止を目的としています。申請書類の準備など一定の手続きは必要ですが、許可申請に比べれば簡易的なプロセスとなっています。

旅館業の許可申請

旅館業を営むためには、都道府県知事への許可申請が不可欠です。申請時には、建物の構造設備や消防計画書なども提出が求められ、審査が行われます。

許可申請は、旅館業の適正な運営と宿泊客の安全確保を目的としていますが、手続きが煩雑で時間もかかるため、民泊に比べて開業のハードルが高くなっています。

宿泊者への対応

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宿泊サービスを提供する上で、宿泊者への対応についても民泊と旅館業で違いがあります。

民泊の宿泊者対応

民泊の場合、家主居住型と家主不在型で対応が異なります。家主居住型では家主自身が宿泊者への対応を行いますが、家主不在型では住宅宿泊管理業者が対応の窓口となります。

また、民泊新法では宿泊者からの苦情受付体制の整備が義務付けられています。迅速な対応が求められるため、専門の管理会社に委託するケースも増えています。

旅館業の宿泊者対応

旅館業の場合、事業者自身がフロントを設置し、宿泊者への対応を行います。フロント要員の配置が義務付けられており、常に宿泊者の安全と快適性を確保する体制が求められます。

大規模な施設では、宿泊者対応のためのスタッフ教育にも力を入れています。言語対応やマナーなど、高いホスピタリティが求められる点が民泊との違いと言えるでしょう。

まとめ

以上、民泊と旅館業法の違いについて、様々な観点から解説してきました。営業日数の制限、立地規制、消防設備基準、申請手続き、宿泊者対応など、多くの相違点があることがわかりました。

民泊事業と旅館業は、それぞれ異なる特性を持っています。民泊の場合は手続きが簡易で立地の自由度が高い一方、旅館業の方が安全面での基準が厳しくなっているのが一般的です。自身の事業計画に合わせて、適切な選択を行うことが重要だと言えるでしょう。

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