はじめに
エアビーは、世界中の個人宅を宿泊施設として活用できるプラットフォームで、国内外の旅行者に大人気のサービスとなっています。しかし、日本国内での民泊事業には法的な規制があり、ホストとなるためには様々な手続きを行う必要があります。本記事では、エアビーでホストとなるための申請方法や準備について、詳しく解説していきます。
民泊新法と届出について
2018年に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)により、一般住宅でも年間180日以内の期間であれば民泊が可能となりました。しかし、事前の届出が義務付けられており、これを怠ると罰則の対象となる可能性があります。
届出の手順
届出は、住宅の所在地を管轄する都道府県または政令指定都市の窓口で行います。主な手順は以下の通りです。
- 住宅の用途が民泊営業に適したものであること、居住者の同意を得ていることなどの要件を確認する
- 必要書類(申請書、住宅の図面、家主の同意書など)を準備する
- 自治体の窓口で届出を行い、登録番号を取得する
届出が受理されると、届出番号が付与されます。この番号は公的な証明書類となり、エアビーのリスティングページなどに記載する義務があります。
宿泊者名簿の管理
届出を行ったホストには、宿泊者名簿の作成と保存が義務付けられています。名簿には以下の情報を記載する必要があります。
- 宿泊者の氏名および住所
- チェックイン日時およびチェックアウト日時
- 宿泊料金
名簿は3年間保存しなければなりません。自治体の立入検査で提出を求められる場合があるため、適切な管理が求められます。
エアビーへの登録手順
民泊新法に基づいた届出が完了すれば、次はエアビーへの登録手続きとなります。エアビー側でも、ホストに対して一定の要件を課しているため、しっかりと準備を行う必要があります。
アカウント作成と本人確認
まずはエアビーのウェブサイトでアカウントを作成します。メールアドレスやFacebook、Googleアカウントと連携して登録することができます。アカウント作成後は、本人確認のプロセスがあります。
本人確認では、以下の書類の提出が求められます。
- 政府発行の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
- 本人確認書類の写真(証明書と本人の写真が写っているもの)
本人確認が済めば、ホストとしての活動が可能となります。
リスティングの作成
次に、貸し出す部屋のリスティングページを作成します。以下の項目を入力していきます。
- 部屋のタイプ(一室、一戸建てなど)
- 部屋の設備(ベッド、Wi-Fi、キッチンなど)
- 宿泊可能人数
- 住所
- 部屋の写真
- タイトルと説明文
リスティングページでは、届出番号の記載も義務付けられています。番号を正しく入力しないと、エアビーから削除を求められる可能性があります。
価格設定とカレンダー管理
最後に、宿泊料金の設定と予約可能日のカレンダー管理を行います。エアビーでは、即時予約機能を利用することで、より多くのゲストから予約を受けられます。
価格設定では、以下の点に注意が必要です。
- 平日と休日で料金を変える
- 長期滞在の場合は割引を設ける
- ピーク時はプレミアム価格を設定する
カレンダー管理もホスト業務の重要な部分です。予約が入った際には速やかに対応し、キャンセルポリシーもしっかりと設定しておく必要があります。
宿泊施設の準備
民泊新法の届出とエアビーへの登録が済めば、最後に宿泊施設の準備を行います。宿泊者に満足してもらえる環境を整えることが、リピーターを増やすカギとなります。
家具・家電の準備
まずは、宿泊者が快適に過ごせるよう、適切な家具や家電を揃える必要があります。最低限必要なものは以下の通りです。
- ベッド
- テレビ
- 冷蔵庫
- キッチン家電(レンジやトースターなど)
- 洗濯機
また、宿泊者のニーズに合わせて、追加の家具や備品を用意することも検討しましょう。例えば、ベビーベッドや子供用の遊び道具などが挙げられます。
アメニティの用意
次に、宿泊者の快適性を高めるアメニティを準備します。基本的には、以下のようなものが求められます。
- バスタオルやフェイスタオル
- 石鹸やシャンプー、リンス
- ドライヤー
- Wi-Fiルーターとインターネット環境
さらに、宿泊者へのおもてなしとして、ウェルカムドリンクやスナック菓子を用意するホストも多くいます。こういった気配りが、ゲストからの高評価につながります。
清掃とメンテナンス
宿泊施設の清掃とメンテナンスも重要な業務です。エアビーでは、ホスト側で適切な清掃を行うことが義務付けられています。
作業内容 | 頻度 |
---|---|
ゴミ箱の清掃とゴミ袋の交換 | 毎回の宿泊者チェックアウト後 |
ベッドリネンの交換 | 毎回の宿泊者チェックアウト後 |
バス・トイレの清掃 | 毎回の宿泊者チェックアウト後 |
フロア掃除機がけ | 1週間に1回程度 |
備品の点検と補充 | 1か月に1回程度 |
清掃が行き届かないと、ゲストから低評価を付けられてしまう可能性があります。自分で対応できない場合は、クリーニング会社に依頼するのも一案です。
エアビーホストのメリットとデメリット
エアビーでホストとなることには、様々なメリットとデメリットがあります。事前に確認しておくことで、ビジネスを円滑に運営できるでしょう。
メリット
- 自宅の空き部屋や空き家を有効活用できる
- 収入源を得られる
- 多くの人々と出会える
- 世界中の宿泊施設を安価に利用できる
中でも副収入を得られることが、多くのホストのメリットとなっています。空き家や一時的に空いている部屋を活用できるため、収入源を簡単に手に入れられるのです。
デメリット
- 法的な手続きが必要
- 宿泊者のマナー違反に注意が必要
- 清掃やメンテナンスの手間がかかる
- 近隣トラブルのリスクがある
一方で、宿泊者のマナー違反や近隣トラブルなどに注意を払う必要があります。ホストとしての責任も重く、適切な対応が求められます。また、日々の清掃業務や設備のメンテナンスなども手間がかかります。
まとめ
エアビーでホストとなるためには、民泊新法に基づく届出手続きと、エアビー側での登録が必須となります。届出を怠ると罰則の対象となるため、法令を順守することが大前提です。そして、宿泊施設の準備や予約の受付、清掃やメンテナンスなど、継続的な業務も控えています。
一方で、自宅の空き部屋や空き家を有効活用できる点や、副収入を得られる点など、メリットも多くあります。デメリットを十分に理解した上で、ホストとして参入するかどうかを判断しましょう。
今回の記事が、みなさんのエアビーホスト参入の一助となれば幸いです。