日本で働く外国人:在留資格におけるカテゴリーの区分を解説!

目次

1.在留資格におけるカテゴリーとは

東京都大田区上池台の行政書士 岩崎達也です。
「経営・管理」、「企業内転勤」や「技術・人文知識・国際業務」の日本で働く外国人のための在留資格において、カテゴリーという区分があるのをご存じの方も多いと思います。
所属機関のカテゴリーによって、在留資格認定証明書(英語では”Certificate of Eligibility”といいます。CoEと略します)申請や在留期間更新時の必要書類が変わります。
カテゴリーは1,2,3,4の4つに分かれており、カテゴリー1,2はかなり必要書類が少なくて済みます。
ではカテゴリーごとにどういう条件で分かれているのかを確認していきましょう。

2.在留資格申請のカテゴリー1,2とは

カテゴリー1の定義は次のようになっています。

次のいずれかに該当する機関

(1) 日本の株式上場会社

(2) 保険業を営む相互会社

(3) 国,地方公共団体

(4) 独立行政法人,特殊法人,特別認可法人,国・地方公共団体認可の公益法人

(5) 法人税法別表第1に掲げる公共法人

この9つのうちいずれかに当てはまっている機関がカテゴリー1となります。
いわゆる「大企業」がカテゴリー1にあたると思っていただければ問題ありません。

次にカテゴリー2の定義はどうなっているでしょうか。

次のいずれかに該当する機関

前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上であることが証明された団体又は個人

2点のいずれかを満たせばよいのですが、1点目の条件を見てみると、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人とされていますので、こちらのカテゴリー2も一定以上の規模の企業が分類されることになります。

カテゴリー1,2は大企業又は一定以上の規模の企業が想定されています。
出入国在留管理庁としても活動の実態が明らかであることから、提出する書類の簡素化、審査期間の短縮化が期待できます。
また、当該申請人の家族(配偶者又は子)が同時又は別で在留資格申請を行った場合も同様です。
扶養者と被扶養者の家族関係及び扶養能力に疑義が生じない限り当該申請人と同様に審査機関の短縮化が期待できます。

ひとつ注意点があります。
日本で働く予定の外国人本人と同時に申請を行った場合は家族単位として審査されます。
しかし別に申請を行った場合に家族単位として審査されるためには、扶養者の所属機関がカテゴリー1,2であることを証明する文書を提出しなければなりません。
加えて、なぜ同時に申請されなかったのか(なぜ別での申請となったのか)を合理的に説明する書面も別途提出しなければ、審査迅速化の対象となりません。

2点目の「在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関」となるためにはいくつかの要件が必要です。
次の項目で詳しく見ていきましょう。

3.「在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関」とは

「在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関」となるためにはどのような要件をクリアすればいいのでしょうか。
要件としては3または4つあります。

  1. 申請等取次者の承認要件を満たしていること
  2. 外国人の受入れの開始、終了等の届出を行っていること。外国人雇用状況届出を行わなければならない事業主においては、同届け出を行っていること(所属機関のみ)
    ※1 入管法第19条の17に基づく所属機関による届出
    ※2 労働施策総合推進法第28条第1項に基づく外国人雇用状況の届出
  3. 誓約書の提出があること
  4. カテゴリー3の機関においては、経営状況、財務状況等の観点から、安定的・継続的に事業が運営されていることが認められること(所属機関のみ)
  5. カテゴリー4の機関においては、経営状況、財務状況等の観点から、安定的・継続的に事業が運営されていることが見込まれること(所属機関のみ)

上記の1~3を満たしつつ、カテゴリー3,4の機関は経営状況や財務状況の安定性・継続性が求められることになります。
事業の安定性・継続性を事前に審査するということが書類簡素化につながっているように思います。
もしカテゴリー3,4の機関に属する方は在留申請オンラインシステムの利用申出にトライするのはひとつの手かもしれませんね。

4.在留資格申請のカテゴリー3,4とは

最後にカテゴリー3,4について一気に見ていきましょう。

まずはカテゴリー3です。

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

つぎにカテゴリー4です。

カテゴリー1,2,3のいずれにも該当しない団体・個人

カテゴリー3についてはカテゴリー2の要件に当たる「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人」以外となります。
つまり前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円に満たない団体・個人が対象になります。
つまり一定の規模に満たない企業がカテゴリー3に分類されます。
カテゴリー4は「カテゴリー1,2,3以外」ですのでシンプルですね。
カテゴリー3からは必要書類がかなり増えてきます(例:労働者に交付する労働条件を明示する文書や登記事項証明書など)。
というよりはカテゴリー1,2の必要書類は少なくて済む、と言う方がいいかもしれません。
各カテゴリーで必要となる書類については別の記事でまとめますのでお待ちください。

5.まとめ

分かっているようで分かっていないかもしれない、日本で働く外国人向け在留資格(ビザ)申請等におけるカテゴリー分類について記載してきました。
カテゴリー1~4の考え方が適用される在留資格は限定されます。就労系ビザにおいてはお持ちの方が多い「技人国」には適用されていますので是非ご参考になれば幸いです。
出さなくてもいい書類まで作ってしまったなどのことがなくなるよう、書類準備の手間削減の一助になればと思います。

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